Japanese / English

P0490900

オートマトンと言語理論

Automata and Formal Languages

開講部

システム理工学部

開講学科

電子情報システム学科

開講学年

2年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義

教育目標

G-1
講師若木利子この授業の2015年度のアンケートを参照

授業の概要

言語理論は情報科学の分野で難解な科目として評価が定まっている。しかしながら、水準の高い情報処理技術者として長くその生命を保とうとするなら、言語理論は避けて通ることのできない科目である。言語理論は、直接的には言語の設計やコンパイラの設計にその用途がある。他方、オートマトンのー種であるチューリング機械はフォンノイマン型コンピュータの計算モデルでもある。本科目の授業では、コンパイラ作成に関連のある正規言語と有限オートマトン、文脈自由言語とプツシュダウン・オートマトンを重点的に講義する。

授業の目的

「オートマトンと言語理論」は高度の数学的理論に裏付けされており、情報科学や情報工学の理論的基礎を与えている。一方、その理論・技術はプログラミング言語の設計やコンパイラ開発への応用のほか、近年、マークアップ言語XMLの文書型定義(DTD)やゲノム解析等の新技術分野への著しい応用が進展している。本授業は、このようなオートマトンと言語理論の基礎知識や技術の修得と、新技術分野に本理論・技術を応用する能力の育成を目的とする。

達成目標

1.言語理論とオートマトンの基礎的知識を習得し、両者の関係を正しく理解する。
2.文脈自由文法を用いて、簡単な形式言語(プログラム言語)の言語設計ができる。
3.有限オートマトンやプッシュダウン・オートマトンの動作と特性を理解し、現実のコンパイラや言語処理系等のソフトウェア開発において、言語理論とオートマトンに関する技術の具体的応用ができる。

授業で使用する言語

日本語

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.「ガイダンス」
・本科目の概要と目的,成績評価の方法。
・コンピュータとオートマトンの関係, オートマトンと言語理論の応用例。
「形式言語と自然言語」
・言語の諸特性(字句,構文,意味),言語の表現(アルファベット,文)。
シラバスを確認する。
2.「句構造文法」
・非終端記号,終端記号,生成規則,開始記号。
・句構造文法の定義。
教科書1.1章 pp.2-4
3.「句構造言語」
・導出の定義,文形式と文の導出。
・句構造文法から生成される句構造言語。等価な文法。
教科書3章 pp73-80
教科書5章 pp144-146
4.「句構造言語(続き)」
・句構造言語に関する演習。
「文法の型と言語のクラス」
・0型,1型,2型, 3型文法の特徴と受理言語のクラス。
配布プリントの演習問題を解く。
5.「文法の型と言語のクラス(続き)」
・文脈依存文法と文脈依存言語,文脈自由文法と文脈自由言語,正規文法と正規言語,Chomsky階層。
・各クラスの文法と言語に関する演習。
教科書3章 pp73-80
教科書4章 pp84-86
教科書5章 pp144-146, pp155-157
6.「文脈自由文法」
・文の導出と導出木,最左導出と最右導出,BNF記法。
・曖昧な文,曖昧な文脈自由文法,演習。
教科書4章 pp84-91
7.「文脈自由文法(続き)」
・本質的に曖昧な文脈自由言語。
・文脈自由文法と言語に関する演習。
配布プリントの演習問題を解く。
8.「オートマトンのクラスと言語のクラス」
・チューリング機械,線形有界オートマトン,プッシュダウンオートマトン,有限オートマトン。オートマトンのクラスと受理する言語のクラスの関係。
教科書5.2章
教科書5.5.2章
教科書4章
教科書2.2章
9.「有限オートマトン」
・有限オートマトンの定義。有限制御部,状態遷移関数。
・有限オートマトンが受理する言語。
教科書2.2章 pp.20-26
10.「有限オートマトン(続き)」
・決定性と非決定性の有限オートマトン。等価なオートマトン。
・有限オートマトンに関する演習。
教科書2.3章。配布プリントの演習問題を解く。
11.「有限オートマトンと正規文法の関係」
・正規文法から有限オートマトン, 有限オートマトンから正規文法の生成。
・ε動作を含む有限オートマトン。
教科書2.5章
12.「プッシュダウン・オートマトン」
・プッシュダウン・オートマトンの定義。プッシュダウン・スタック。
・プッシュダウン・オートマトンが受理する言語。
教科書4.8章
13.「プッシュダウン・オートマトンと文脈自由文法の関係」
・プッシュダウン・オートマトンの決定性/非決定性の定義
・プッシュダウン・オートマトンと文脈自由文法の関係
・決定性プッシュダウン・オートマトンと決定性言語の関係
教科書4.9章 4.10章
14.文脈自由言語に関する反復定理(uvwxy定理)。
プッシュダウン・オートマトンに関する演習。
教科書4.6章。配布プリントの演習問題を解く。
15.学期末試験と解説 学期末試験の勉強をする。

評価方法と基準

期末試験や授業時の演習で評価する。

教科書・参考書

教科書:「オートマトン・言語理論」富田悦次 / 横森 貴 共著(森北出版)
     必要に応じプリントを配布する。
参考書:「オートマトン 言語理論 計算論I,II」J.ホップクロフト/ R.モトワニ/J.ウルマン共著,野崎・高橋・町田共訳(サイエンス社)

履修登録前の準備

履修前に修得を希望する科目:離散数学

オフィスアワー、質問・相談の方法

質問・相談は授業終了時、またはメールでその旨を御連絡下さい。

環境との関連

環境に関連しない科目

地域志向

地域志向ではない科目

社会的・職業的自立力の育成

知識活用力を育成する科目

アクティブ・ラーニング科目

能動的な学修への参加を取り入れた授業が1コマ分以上

授業の到達目標と各学科の学習・到達目標との対応


最終更新 : Thu Jun 09 08:54:54 JST 2016