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V0320600
Z3320500

関数方程式論I

Theory of Functional Equations 1

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教授竹内慎吾この授業の2016年度のアンケートを参照

授業の概要

変数係数の線形常微分方程式の理論を解説する。基礎科目「微分方程式」では定数係数の場合を扱ったが、変数係数で考えることでより一般的でかつ応用に適した理論となる。まず、解析学で重要な一様収束と級数展開について述べ、初期値問題の解の存在と一意性に関する定理を証明する。次に、斉次・非斉次微分方程式の一般解を求める際に基本解が果たす重要な役割について理解する。その基本解を求める手段として級数解法を紹介する。最後に、連立微分方程式の行列の指数関数を用いた解法について議論する。なお、「関数方程式論」であるから、計算が主であった「微分方程式」に比べ少々理論的になることを断っておく。

授業の目的

諸科学の法則に基づき現象をモデル化する際に、微分方程式は不可欠である。特に現象を簡単化して考えると線形常微分方程式に帰着されることが多い。この授業は基礎科目「微分方程式」の続きに位置し、続けて履修することで線形常微分方程式の理論を修得できる。この分野は主な計算は微分積分によるが、大きな流れは線形代数である。したがって学生は、微分方程式について学べるのはもちろんのこと、1年次に学んだ微分積分と線形代数がどのように融合するのかを知ることができる。

達成目標

1.解の存在と一意性が保証されていることの重要性を理解すること。
2.変数係数線形常微分方程式の解空間の構造を理解すること。
3.級数解法を理解すること。

授業で使用する言語

日本語

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.準備 (1) 微分方程式論とは 「微分方程式」を復習してくること。
2.準備 (2) 一様収束と級数展開 「数学I」「解析基礎」を復習してくること。
3.初期値問題の解の存在と一意性 「微分方程式」を復習してくること。
4.斉次微分方程式の一般解 (1) ロンスキアン 定数係数の場合を復習してくること。
5.斉次微分方程式の一般解 (2) 解空間 「線形空間」と絡めて理解すること。
6.斉次微分方程式の一般解 (3) Eulerの微分方程式 第3回と第4回の内容を復習してくること。
7.非斉次微分方程式の一般解:定数変化法 定数係数の場合を復習してくること。
8.中間試験と講評 第1回から第7回までの内容を復習してくること。
9.級数による解法 (1) 正則点の場合 第2回の内容を復習してくること。
10.級数による解法 (2) Legendreの微分方程式 第8回の内容を復習してくること。
11.級数による解法 (3) 確定特異点の場合、Frobeniusの方法 第8回と第9回の内容を復習してくること。
12.級数による解法 (4) Gaussの超幾何微分方程式 第11回の内容を復習してくること。
13.級数による解法 (5) Bessel微分方程式 第11回の内容を復習してくること。
14.行列による解法:行列の指数関数 「対角化」を復習してくること。
15.期末試験と講評 第9回から第14回までの内容を復習してくること。

評価方法と基準

中間試験および期末試験の成績により評価する。

教科書・参考書

教科書は特に指定しないが、草野尚「境界値問題入門」(朝倉書店)の第1章に沿って説明する。1年次の微分方程式の教科書も適宜参考にされたい。

履修登録前の準備

「微分方程式」の知識を前提とする。

オフィスアワー、質問・相談の方法

教員のウェブサイトを参照すること。

環境との関連

環境関連科目 (環境教育割合 5%)

地域志向

地域志向ではない科目

社会的・職業的自立力の育成

社会的・職業的自立力を育成しない科目

アクティブ・ラーニング科目

能動的な学修への参加を取り入れた授業が1コマ分以上

授業の到達目標と各学科の学習・到達目標との対応

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最終更新 : Sat Sep 24 08:00:14 JST 2016