Japanese / English

V0330400

解析学III

Analysis 3

開講部

システム理工学部

開講学科

数理科学科

開講学年

3年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義

教育目標

C-1,G-1,H-3
教授竹内慎吾この授業の2015年度のアンケートを参照

授業の概要

この授業では「関数解析」の続きとして、微分方程式の関数解析的な取り扱いについて解説を行う。解の存在が明らかではない微分方程式に対して、そこに現れる微分を弱い意味に捉えることにより、弱解の概念を導入する。しかるべき関数空間(Sobolev空間)上で定義された汎関数に関数解析の諸定理を適用することによって、弱解の存在が保証されることがある。このようにして得られた弱解が実は通常の意味でも微分できることがわかれば、元の微分方程式の解(古典解)の存在が示されるのである。このような微分方程式へのアプローチは変分法とよばれ、現代解析学においてスタンダードな方法である。

授業の目的

現象を微分方程式でモデル化すると、多くは非線形となり解を求めることができない。解の存在が保証されなければモデルの信憑性が測れない。そこで、与えられた微分方程式に対して、実際解くことをせずに、解の存在を保証したり性質を調べたりする数学理論が必要となる。この授業の目的は、関数解析に基づいた理論である変分法と、それによる微分方程式の研究の基礎を理解することである。Sobolev空間と変分法の理論は現代解析学において標準的であり、純粋な数学理論としてはもちろんのこと、数値解析で用いる有限要素法の数学理論としても重要である。

達成目標

1.弱解の概念を理解する。
2.Sobolev空間の特徴を理解する。
3.関数解析が微分方程式の研究に有効であることを理解する。

授業で使用する言語

日本語

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.微分方程式の弱解 非斉次線形微分方程式と部分積分の復習をしてくること。
2.Sobolev空間W^{1,p} Lebesgue積分、L^p空間、弱微分の復習をしてくること。
3.合成積 合成積(畳み込み)の復習をしてくること。
4.正則化列 一様連続の復習をしてくること。
5.拡張作用素 有界線形作用素の復習をしてくること。
6.稠密性 稠密の復習をしてくること。
7.Sobolev空間の埋め込み W^{1,p}の復習をしてくること。。
8.弱微分の性質 前回の復習をしてくること。
9.Sobolev空間W^{m,p},W^{1,p}_0 前回の復習をしてくること。
10.Poincareの不等式 前回の復習をしてくること。
11.Stampacchiaの定理 前回の復習をしてくること。
12.Lax-Milgramの定理 前回の復習をしてくること。
13.境界値問題 (1) Dirichlet境界条件 前回の復習をしてくること。
14.境界値問題 (2) Neumann境界条件 前回の復習をしてくること。
15.期末試験と解説 これまでの復習をしてくること。

評価方法と基準

期末試験で評価する。

教科書・参考書

教科書は特に指定しないが、ブレジス著(藤田・小西訳)「関数解析」(産業図書)の第VIII章にそって授業を行う。また参考書として「関数解析」の授業の教科書:樋口・芹澤・神保「関数解析学の基礎・基本」(牧野書店)をあげておく。

履修登録前の準備

「測度論」(Lebesgue積分)「関数解析」の知識を前提とする。

オフィスアワー、質問・相談の方法

教員のウェブサイトを参照。

環境との関連

環境に関連しない科目

地域志向

地域志向ではない科目

社会的・職業的自立力の育成

社会的・職業的自立力を育成しない科目

アクティブ・ラーニング科目

該当しない

授業の到達目標と各学科の学習・到達目標との対応


最終更新 : Thu Jun 09 09:05:33 JST 2016