Japanese / English

V0350200

測度論

Measure Theory

開講部

システム理工学部

開講学科

数理科学科

開講学年

2年次

開講時期

後期

単位数

2

単位区分

選択

系列区分

専門

講義区分

講義

教育目標

C-1,G-1,H-3
教授竹内慎吾

授業の概要

この授業ではLebesgue積分について説明する。Lebesgue積分は現代解析学において標準的な積分であり、関数解析学、微分方程式論、確率論、量子力学などで必要不可欠となっている。授業の導入として、従来の積分(Riemann積分)がもつ弱点を指摘し、新しい積分(Lebesgue積分)を考える必要性について述べる。次にF.Rieszの流儀に従い、階段関数の積分値の極限としてLebesgue積分を定義する。この積分がRiemann積分の拡張になっており、またそれよりもはるかに弱い条件下で項別積分定理を満たすことが示される。また項別積分定理を利用することにより、集合に対して長さ・面積・体積を一般化した測度という概念を定義することができる。実はLebesgue自身は、まず測度を定義し、それに基づいた積分としてLebesgue積分を定義した。最後の授業では、RieszとLebesgueのそれぞれの流儀による積分や測度の概念は完全に一致することを述べる。

授業の目的

関数解析、微分方程式、そして確率論などを学ぶために必要となるLebesgue積分、特に項別積分定理をマスターすること。

達成目標

1.Lebesgue積分とRiemann積分の違いを理解すること。
2.項別積分定理を使えるようになること。
3.集合や関数の可測性を理解すること。

授業で使用する言語

日本語

授業計画


【授業計画】【授業時間外課題(予習および復習を含む)】
1.なぜLebesgue積分が必要か 「数学I」の「積分」(Riemann積分)を復習してくること。
2.積分論 (1) 階段関数の積分、零集合 前回の復習をしてくること。
3.積分論 (2) 階段関数の積分の拡張 前回の復習をしてくること。
4.積分論 (3) L^+の積分の性質 前回の復習をしてくること。
5.積分論 (4) 定義、Riemann積分との関係 前回の復習をしてくること。Riemann積分との違いを明らかにしておくこと。
6.積分論 (5) Beppo Leviの単調収束定理 前回の復習をしてくること。
7.積分論 (6) Lebesgueの収束定理 前回の復習をしてくること。
8.積分論 (7) Fatouの補題、広義Riemann積分との関係 前回の復習をしてくること。
9.中間試験と講評 前回までの復習をしてくること。
10.積分論 (8) 多変数関数の積分とFubiniの定理 前回までの復習をしてくること。
11.測度論 (1) 可測関数 前回の復習をしてくること。
12.測度論 (2) 可測集合、可測関数と可測集合の関係 前回の復習をしてくること。
13.測度論 (3) 開集合とBorel集合の可測性 前回の復習をしてくること。
14.Lebesgueによる積分の定義(測度から積分へ) 前回の復習をしてくること。
15.期末試験と講評 前回までの復習をしてくること。

評価方法と基準

中間試験と期末試験で評価する。

教科書・参考書

洲之内治男「ルベーグ積分入門」内田老鶴圃

履修登録前の準備

上記教科書の第1章と第2章を通読しておくこと。特に上限・下限・極限・上極限・下極限・連続・一様連続・一様収束などの概念が重要である(これらの多くは「解析基礎」で扱っている)。また「数学I」で学んだ積分(Riemann積分)の定義をよく復習しておくこと。

オフィスアワー、質問・相談の方法

教員のウェブサイトを参照のこと。

環境との関連

環境に関連しない科目

地域志向

地域志向ではない科目

社会的・職業的自立力の育成

社会的・職業的自立力を育成しない科目

アクティブ・ラーニング科目

能動的な学修への参加を取り入れた授業が1コマ分以上

授業の到達目標と各学科の学習・到達目標との対応


最終更新 : Thu Sep 15 07:00:33 JST 2016