Goals and objectives | Course Outcomes | |
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1. | これまでの思い込みを相対化して、自分から自由になること(無私の精神)。 | |
2. | さまざまな人々や文化の価値観を理解しようとする寛容な精神を養うこと。 | |
3. | 物事の本質を見抜く思考態度を身につけること。 |
Class schedule | HW assignments (Including preparation and review of the class.) | Amount of Time Required | |
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1. | 第1回 哲学とは何か 諸君は、自分が普段見たり聞いたりしている周囲の出来事を、確かな現実だと信じているだろう。しかし、実際のところ、私たちは、世界の現実について、どれだけのことを本当に知ることができるのだろうか。私たちが抱く思いや考えをドクサ(臆見、思惑)と言うが、それは人により異なるかもしれない。プロタゴラスの相対主義と、パルメニデスの絶対主義について学ぶ。 |
どんな感覚、感情、考えを持つにしても、それはあくまで「自分の」考えではないだろうか。他者が自分と同じ感覚、感情、考えを持っているかどうかはわからない。自分は一生自分の感覚、感情、考えから出られないのだろうか。このことについて自分なりに考えてくること。 | 45分 |
2. | 第2回 ソクラテス ソクラテスの考える「哲学」(知を愛すること)とは何か。ソクラテスは、理性、感覚、知識、ドクサに関して、どのように考えていたか。 |
プリント資料に目を通してくること。 | 45分 |
3. | 第3回 プラトン プラトンは、私たちが暮らしている世界を、絶えず変化してやまない世界と考え、実在の影あるいは似姿と考えた。それに対して、真に実在する世界は、不生不滅で永遠不変の世界と考え、イデア界と呼んだ。そのような世界はあるのだろうか。そのことで、プラントンは一体何を伝えたかったのだろうか。 |
プリント資料に目を通してくること。 | 45分 |
4. | 第4回 アリストテレス 人間は、理性のある動物である。したがって、人間にとっての幸福は、理性を用いた活動にある、とアリストテレスは考えた。4種類の転化(運動)、転化の4つの原因、質料と形相、現実態と潜勢態、生物の階層、目的論的自然観など、アリストテレスの基本的な考え方について学ぶ。 |
プリント資料に目を通してくること。 | 45分 |
5. | 第5回 中間試験(1):第1回から第4回の授業内容に関する試験。 デカルトの二元論 デカルトは、世界は精神と物質という2つの異なる実体から成ると考えた。精神の実在を証明するために、徹底した懐疑を方法として用いた。また、演繹的推論こそ、あらゆる学問の方法であると考えた。 |
プリント資料に目を通してくること。 | 45分 |
6. | 第6回 中間試験(1)に関する解説。 デカルトの機械論的自然観 デカルトは、物質の本質を延長と捉え、物質界に関してはどこまでも機械論的に理解しようとした。人間の身体の動きに関しても例外ではなかった。自然に対するこうした極端なまでの機械論的態度が、後の科学や技術の土台を形作ることになった。 |
プリント資料に目を通してくること。 | 45分 |
7. | 第7回 ロックによる実体の批判 ロックは、経験論の立場から、物体を根底で支える基体としての実体という概念を否定した。物体は経験によって感覚に与えられる。物体の持つより基本的な性質を第一性質、人の感覚により異なって感じられる性質を第二性質として区別した。 |
プリント資料に目を通してくること。 | 45分 |
8. | 第8回 バークリの観念論とヒュームの因果性批判 バークリは、ロックの第一性質と第二性質の区別を批判した。いずれも感覚から得られる知覚である以上、そのような区別は意味をなさない。結局、物体とは、感覚の束に他ならないと言う。 さらに、ヒュームは、因果性の概念を批判し、物理学が依拠する因果関係とは、習慣による観念相互の関係であって、事実相互の関係ではないと主張した。その結果、実験と観察を重ねてそこから一般法則を引き出すいわゆる帰納的推論の真理性が揺らいだ。 |
プリント資料に目を通してくること。 | 45分 |
9. | 第9回 カントの純粋理性批判 カントは、ヒュームの批判の正当性を認め、現象の世界(現象界)と実在の世界(叡智界)を区別し、人間に認識できるのは現象界のみであると考えた。現象界では、人間の認識に共通な物理的因果法則が当てはまる。叡智界にあって、そうした現象を生み出す「何か」については、人間には認識できないものとして、「物自体」と呼んだ。 |
プリント資料に目を通してくること。 | 45分 |
10. | 第10回 中間試験(2):第5回から第9回の授業内容に関する試験。 ベルクソンの意識の持続 ベルクソンは、意識の経験する時間を、物理的時間とはまったく異なるあり方をする真の時間として、「持続」と名付けた。意識の経験する時間の特質について考える。それは、過去の記憶は何一つ失われることなく、それに新たな現在の経験が時々刻々付け加わり、全体が絶えず融合しているような私たちの心のあり方である。 |
プリント資料に目を通してくること。 | 45分 |
11. | 第11回 中間試験(2)に関する解説。 ベルクソンの意識の持続 私たちの心は、本来、空間化して数えることもできなければ、その変化を数学的に計算することもできない。だが実際には、私たちは社会生活において、自分の心の内容を分析し、それを言葉に置き換え、言語を用いて他者とコミュニケーションをはかっている。「表層の自我」と「深層の自我」とベルクソンが名付けた、私たちの心のダイナミックなあり方について学ぶ。 |
プリント資料に目を通してくること。 | 45分 |
12. | 第12回 ユングによる心の構造(1) ユングは、フロイトと同様に、私たちの心に無意識というものの存在を仮定した。ユングはさらに、無意識に、個人的無意識と集合的無意識を区別した。自我とこの2つの無意識は、どのように関係しつつ、現実世界と向き合っているのだろうか。社会の中でストレスを抱えながら生きて行かざるをえない私たち人間の心のあり方について考える。 |
プリント資料に目を通してくること。 | 45分 |
13. | 第13回 ユングによる心の構造(2) 無意識を抱えた人間は、いかに生きることができるのか。というのも、無意識を単に抑圧することは、人生においてきわめて危険だからである。人格の成長とは、ユングによれば、自分の心の中の無意識を少しずつ意識に統合していくことにより、心を豊かにするプロセス(自己実現化)にほかならない。 |
プリント資料に目を通してくること。 | 45分 |
14. | 第14回 期末試験:第10回から第14回の授業内容に関する試験。 期末試験に関する解説。 |
プリント資料に目を通してくること。 | 45分 |
Total. | - | - | 630分 |
中間試験(1) | 中間試験(2) | 期末試験 | Total. | |
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1. | 15% | 15% | 15% | 45% |
2. | 15% | 15% | 15% | 45% |
3. | 0% | 5% | 5% | 10% |
Total. | 30% | 35% | 35% | - |