Goals and objectives | Course Outcomes | |
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1. | 倫理学の基本的学説を理解すること | |
2. | 倫理学的アプローチの技術を身につけること | |
3. | 現実の倫理問題を倫理学的に分析し考察できる能力を養うこと |
Class schedule | HW assignments (Including preparation and review of the class.) | Amount of Time Required | |
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1. | 道徳の相対性 道徳は、時代や場所によって異なるものなのだろうか。古代スパルタでは、虚弱な子を山に捨てる習慣があったという言い伝えがある。現代でも、名誉殺人や女子割礼といった習慣のある地域がある。道徳の相対性について考える。『プルタルコス英雄伝』ほか |
世の中に善悪の絶対的な基準というものがあるのかどうか、自分なりに考えてくること。 | 45分 |
2. | ベルクソンの道徳論 私たちが生まれ育つ過程で、社会の道徳的規律が心に擦り込まれ、私たちの社会的自我を形成する。したがって、私たちの身に着けている道徳観とは、基本的には、生まれ育った社会の道徳的規律である、とベルクソンは言う。私たちの道徳観の形成について考える。ベルクソン『道徳と宗教の二源泉』 |
プリント資料に目を通してくること | 45分 |
3. | プラトンの問題提起 自然本姓を意味するピュシス(自然)と人間の定めたノモス(法)の関係について考える。ピュシスに従うのとノモスに従うのと、どちらが人間にとっては幸福か。なぜ人はピュシスを抑圧してノモスに従わなければならないのか。正義とは何か。プラトン『国家』 |
プリント資料に目を通してくること | 45分 |
4. | ホッブズの道徳論 人間と倫理に関する近代の考え方について学ぶ。ホッブズの考える自然状態、自然権、自然法とは何か。「万人の万人に対する闘争」を回避するために、理性は何を命じるか。ホッブズ『リヴァイアサン』 |
プリント資料に目を通してくること | 45分 |
5. | 中間試験(1):第1回から第4回までの授業内容に関する試験。 功利主義(1) 功利主義は、現代でも有力な倫理学説である。功利主義は、社会全体の幸福を目的とし、行為の結果に応じて行為の価値を判断する結果主義に属する。功利主義の提唱者であるベンサムの倫理思想について学ぶ。ベンサム『道徳および立法の諸原理序説』 |
プリント資料に目を通してくること | 45分 |
6. | 中間試験(1)に関する解説。 功利主義(2) J.S.ミルの功利主義について学ぶ。「満足した豚であるより、不満足な人間であるほうがよく、満足した馬鹿であるより不満足なソクラテスであるほうがよい。」と言うミルの真意は何か。J.S.ミル『功利主義』 |
プリント資料に目を通してくること | 45分 |
7. | カントの倫理思想(1) 功利主義に並ぶ重要な学説である、カントの義務論的な倫理思想について学ぶ。カントにとって、道徳的であるとはどういうことか。道徳の普遍性、理性による命令、人間性について考える。カント『道徳形而上学の基礎づけ』 |
プリント資料に目を通してくること | 45分 |
8. | カントの倫理学(2) 理性による定言命法について考える。「汝の行為の格率が、汝の意志を通じて、普遍的自然法則となるかのように行為せよ。」「汝の人格やほかのあらゆるひとの人格のうちにある人間性を、いつも同時に目的として扱い、決してたんに手段としてのみ扱わないように行為せよ。」 |
プリント資料に目を通してくること | 45分 |
9. | 功利主義とカントの倫理学に依拠して、「他者危害の原則」と「人間の尊厳」について学ぶ。 | プリント資料に目を通してくること | 45分 |
10. | 中間試験(2):第5回から第9回までの授業内容に関する試験。 ソクラテスとプラトンの身体観、現世観、真理観について学ぶ。 プラトン『ソクラテスの弁明』『パイドン』 |
プリント資料に目を通してくること | 45分 |
11. | 中間試験(2)に関する解説。 キリスト教倫理思想 高価な香油をイエスに注いだマリア、罪の女マリア、放蕩息子の帰還の話など、新約聖書で語られている逆説を拠り所として、イエスの精神主義について学ぶ。『新約聖書』 |
プリント資料に目を通してくること | 45分 |
12. | ニーチェの倫理思想(1) 道徳の根本問題について学ぶ。ニーチェはなぜ、それまでの道徳哲学は本当の意味で道徳について哲学をしてこなかった、と批判するのかについて考える。ニーチェ『善悪の彼岸』 |
プリント資料に目を通してくること | 45分 |
13. | ニーチェの倫理思想(2) ニーチェが立てた道徳の2つの類型である主人道徳と奴隷道徳について学ぶ。こうした類型を用いることで、ニーチェは何を批判しようとしたのかについて考える。ニーチェ『道徳の系譜』 |
プリント資料に目を通してくること | 45分 |
14. | 期末試験:第10回から第14回までの授業内容に関する試験。 期末試験に関する解説。 |
プリント資料に目を通してくること | 45分 |
Total. | - | - | 630分 |
中間試験(1) | 中間試験(2) | 期末試験 | Total. | |
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1. | 30% | 30% | ||
2. | 20% | 5% | 5% | 30% |
3. | 5% | 5% | 30% | 40% |
Total. | 25% | 40% | 35% | - |