科目情報
1M990100
社会調査とデータ分析 / Analysis of Social Survey Data
教授 春日 伸予
授業の概要
工学分野の研究では実験が中心となるが,社会において有用な「ものづくり」は,人や社会の受容性が高く,人が適正かつ効果的に使用できるという条件を満たす必要がある。そうした条件を満たすものづくりをするためには,人の主観的なデータの収集や量的データだけでなく質的データの収集および分析も必要となる。
この授業では,人の主観的なデータや質的なデータを収集するための調査の仕方と分析の仕方を学ぶ。
授業の目的
第一段階として,主観的データおよび質的データを収集するために効果的な調査項目の作成の仕方を理解し,さらに,調査用紙の全体の構成の仕方を理解する。次に,収集したデータを分析する分析方法を理解し,分析が出来るようになる。そして,分析結果の解釈の仕方を理解し,データ分析の結果をまとめることが出来るようになる。加えて,成果をうまくまとめて発表できるようになる。
達成目標
  1. 主観的データを収集する調査項目及び調査用紙の作成ができ,調査を実施できる。
  2. データ分析の方法,特に有意差検定を理解し使えるようになる。
  3. 研究成果をまとめて発表できるようになる。
授業で使用する言語
日本語
授業計画

授業計画 授業時間外課題(予習および復習を含む) 必要学習時間
1. 導入。
研究における主観的データや質的データの重要性。
各自の研究テーマに関連した調査テーマの理解。
テーマに関連した主観的データおよび質的データの理解。
シラバスを読んで自分の研究テーマに関連した人間要素について考えておく。 30分
授業の復習。 60分
2. 調査用紙作成時の重要事項に関する説明。
  質問項目,文言の使い方,調査用紙デザイン仕方,
  基本情報,等について。
調査用紙の試作。
  グループに分かれて調査内容を決定。
  その内容を調査するための調査用紙を作成する。
自分の研究テーマに関連して何を調査するかを考えておく。 80分
授業の復習。 60分
3. 調査用紙の修正
  前の授業で作成した調査用紙をグループ間で互いに実施する。
  その後,お互いの調査用紙の修正すべてき点について指摘し合う。
  その指摘にしたがって修正する。
調査用紙案を仕上げておく。 120分
4. 前の授業で修正した調査用に関して,グループ毎に調査用紙を見ながら教員が修正を指摘する。
それに従って,調査用紙を修正する。
教員が確認後完成とする。
自分で修正した調査用紙を授業外でも実施して,さらに修正する。 120分
5. Excelを使ったデータインプットの仕方の説明。
分析手法と解釈の仕方の説明
  標準偏差,相関係数,χ2乗検定,Wilcoxon順位和検定,
  テキストマイニング,等。
分析ソフトSPSSの使い方と解釈の仕方の説明。
分析方法に関する例題をグループで解く(含課題)
調査用紙を用いて調査をしておく。 200分
授業の復習。 180分
6. 分析に関する演習問題を教員から提示。
前半を個人で解答作業を行う。
後半をグループ毎に解答作業。
時間内に解けない場合は課題とする。
分析方法に関する復習をしておく。 180分
調査用紙を用いた調査を継続。 100分
7. 前の授業で行った演習の解答結果を提出。
その解答を,2グループが集まってお互いに答え合わせをする。
グループ同士で解答が合わない場合は,正解についてさらに考える。
その後,教員から正解を紹介。
演習課題の解答を仕上げておく。 80分
間違っていた例題について再解答をしたり,他の例題を解いたりして分析方法への理解を完全にしておく。 180分
調査用紙を用いた調査を完了しておく。 100分
8. 自分たちが調査したデータ(紙べースor電子データ)を持参。
調査データをインプットするためのデータファイルの原簿の作成。
調査したデータをインプットする。
第5回の授業内容の復習をしておく。 120分
データインプットを完成させる。 80分
9. SPSSを使った分析方法の復習。
各グループで,調査したデータの分析を開始する。
不明な点は教員に適宜相談。
データ分析に関する復習をしておく。 100分
データ分析を仕上げておく。 100分
10. データを分析した結果を解釈する。
それぞれの分析結果と考察をまとめる。
研究全体の構成・内容を考える。
分析結果をどのようにまとめるべきか考えておく。 120分
11. 調査・分析とその成果を発表するためのPPTの作成を行う。
目的,方法,結果,考察,結論,の構成をわかりやすくまとめる。
グループ内で分担して行うことも可能。ただし,最終的に全員で内容を
確認すること。
紙べースの資料を追加することも可能。
全体のまとめを完了しておく。 120分
12. 各グループ,PPTを教員に見せて説明。
教員から指摘された修正部分を修正する。
完成したPPTを用いて発表練習を行う。
決められた発表時間で発表できるよう各グループで調整を行う。
PPTを完成させる。 140分
レポート作成を始める。 80分
13. 全グループ,順番に発表を行う。
発表後は質疑応答を行う。
そのグループの前に発表したグループは必ず1人1回質問すること。
教員からの講評あり。
発表練習をしておく。 180分
14. 各グループで研究全体をまとめた概論の構成を考える。
それをA41枚裏表に作成する。
完成した概論は,紙べースと電子ファイルの両方を教員に提出する。
レポートの作成を始めておく。 180分
合計 - - 2710分
達成目標との対応・割合

発表内容と成果 プレゼン能力 レポート 合計
1. 10% 0% 15% 25%
2. 20% 0% 20% 40%
3. 15% 10% 10% 35%
合計 45% 10% 45% -
評価方法と基準
発表(内容と成果40%+プレゼン能力15%)+レポート30%+平常点15%(授業中の提出物および活動状況)ただし,欠席回数が5回以上になった時点で,研究発表およびレポート提出の権利を認めない。調査の仕方の重要点を理解し,適正な調査が出来ているかどうか,また,分析方法と結果の解釈を理解し,適正な分析と結果が導き出されているかどうかが重要な評価点となる。
なお,発表およびレポート内容には,研究背景,研究目的,調査方法(内容,対象),分析方法,結果,考察,結論が全て含まれていること。
教科書・参考書
授業で配布する資料がすべて。 分析方法に関しては,自分に合った参考書を図書館等で探して自習すること。
履修登録前の準備
シラバスをよく読んで授業意義と概要を理解しておくこと。
自分の研究が人と社会の役に立つために必要な「主観的データ」や「質的データ」は何か,を考えておくこと。
オフィスアワー、質問・相談の方法
  • 授業終了後,適宜。 直接面談およびメール。
環境との関連
環境に関連しない科目
地域志向
地域志向ではない科目
社会的・職業的自立力の育成
  • 知識活用力を育成する科目
  • 対課題基礎力を育成する科目
アクティブ・ラーニング科目
能動的な学修への参加による授業が大部分
実務経験のある教員による授業科目
実務経験 具体的内容
該当しない 該当しない
最終更新 : Thu Mar 21 16:46:25 JST 2019