科目情報
2M995000
生体分子化学特論1 / Biomolecular Chemistry 1
教授 幡野 明彦
授業の概要
 本講義では,分子や超分子の動的構造を明らかにすることができる核磁気共鳴装置(NMR)の原理から測定方法,応用測定法とチャート解析までを行い,研究室で実際に「使える」実学の修得を目指す.

 近年,「生物を利用して産業に生かして行こう」という動きが盛んである.生命は、生体分子が集合してできた複雑な組織体であり,分子の構造に働きがインプットされていると言っても過言んではない.生体分子の構造,すなわち,「物質の構造」,「生命と物質の相互作用」を理解できれば,病気の解明,体と薬物の相互作用,新素材の構造など,医学,薬学,化学,農学などの分野で問題となっているを明らかにする近道に成るであろう.
 本講義では,動的に分子構造,分子集合体の構造を解析する手法である核磁気共鳴法に焦点を当て,物質の動的構造を読み取るための知識を獲得する.
授業の目的
この授業の最終的な目的は,「NMRチャートから化合物を同定できる」ことと,「NMR装置を利用できる」様になることである。
達成目標
  1. 核磁気共鳴装置の原理,もととなっている物理法則を理解する.
  2. 有機化合物のNMR チャート(プロトン,カーボン)の解析と分子構造の決定ができる.また,質量分析装置と合わせて利用する意味を理解している.
  3. 二次元 NMR である,COSY,NOESY,HMBC などのチャートを読み取ることができる.
授業で使用する言語
日本語
授業計画

授業計画 授業時間外課題(予習および復習を含む) 必要学習時間
1. ガイダンス,同位体,安定同位体と放射性同位体,イメージング シラバスを確認する 200分
2. 核磁気共鳴とは? 核磁気共鳴法について 200分
3. 化学シフトと積分 原子中の電子の振る舞いについて 200分
4. スピンスピン結合 化学結合を介したエネルギーの移動について 200分
5. 複雑なスペクトル 電子スピンについて 200分
6. スペクトルの温度依存性とジェミナルカップリング カップリングについて 200分
7. 演習問題と解説 復習しておくこと 200分
8. 中間試験と模範解答の解説 前半までの授業を復習しておくこと. 200分
9. H-H COSY 二次元NMRについて 200分
10. H-C COSY(HMQC) 相関ピーク 200分
11. HMBC(遠隔カップリング) 結合が伸びた原子同士のカップリング 200分
12. NOE(核オーバーハウザー効果) 空間を介した原子のカップリング 200分
13. DNA の構造評価のための核磁気共鳴装置 DNA の構造について 200分
14. 定期試験と解説 後半部分の試験を行う. 200分
合計 - - 2800分
達成目標との対応・割合

演習 中間試験 定期試験 合計
1. 15% 10% 10% 35%
2. 15% 10% 10% 35%
3. 10% 10% 10% 30%
合計 40% 30% 30% -
評価方法と基準
定期試験30%,中間試験30%,レポートと演習40%の配分で評価し,総合点60%以上を合格とする。
教科書・参考書
参考:NMR,田代充,共立出版
参考:これなら分かる NMR,安藤喬志ら,化学同人
参考:これならわかる二次元 NMR,福士江里ら
参考:NMR 分光法,阿久津秀雄ら,日本分光学会編
参考:プログラム学習 NMR 入門,竹内敬人,講談社
履修登録前の準備
実際に NMR を日常利用している研究室からの受講が望ましい.
オフィスアワー、質問・相談の方法
  • 月曜日2限
環境との関連
環境に関連しない科目
地域志向
地域志向ではない科目
社会的・職業的自立力の育成
  • 対課題基礎力を育成する科目
アクティブ・ラーニング科目
能動的な学修への参加による授業が概ね半数
実務経験のある教員による授業科目
実務経験 具体的内容
該当する 企業にて生体材料の研究開発を行っていた。その経験を加味して授業実施する。
最終更新 : Thu Mar 21 16:46:35 JST 2019