科目情報
D0213370
化学実験 / Chemical Experiment
教授 中村 朝夫 この先生のアンケート一覧を参照
教授 堀 顕子
講師 高見 実智己
講師 中村 和彦
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講師 武蔵 正明
授業の概要
 この授業は,応用化学科1年生を対象とする化学の実習です。化学は,現実世界の現象を記述し,説明し,予測するための学問で,現実世界の現象を観察・測定するための「実験」に支えられています。したがって,大学における化学の学修には,実験が非常に大きな割合を占めています。
 実験を行うためには,様々な準備が必要です。実験を安全に行うための知識やノウハウを学ぶ必要があります。実験装置や器具の取り扱いについても経験を積むことが必要です。測定データの取り扱いや実験結果の記述や考察の方法も学ぶ必要があります。これらの基礎を固めることが,この授業の目的です。
 実験を通して,化学反応を支配する法則や原理についての理解を深めることも,この授業の大切な目的です。実験で取り上げるテーマは,いずれも化学の基本として大切なものばかりです。与えられたメニューを機械的にこなすだけでなく,観察した現象を深く理解するよう努めましょう。
 この授業は,実験と PC を使う演習によって構成されています。実験では,まず,無機定性分析化学の基礎である陽イオンの系統分析に取り組みます。続いて,アボガドロ定数の測定,吸光分析,分子量の測定,酸解離指数の決定など,物理化学や無機化学の基礎となる定量的な測定を行います。有機合成の基礎となる実験も行います。演習では,PC を使って,化学構造式描画ソフト ChemDraw や表計算ソフト Excel の使い方を学びます。
授業の目的
 これから化学の学修を進めていく上で重要な実験を,安全かつ効率よく進めることができ,また,その実験が実りの多いものとなるよう,基礎を固めるのがこの授業の目的です。
 この授業によって,化学実験を安全に行うために必要な知識とノウハウを得ることができます。また,化学実験の基本的な実験操作を身につけることができます。測定データの扱い方や表示の方法についても学びます。化学の研究に必須のツールである化学構造式描画ソフト ChemDraw や表計算ソフト Excel の使い方も,実習を通じて身につけることができます。観察・測定した実験結果を化学(科学)の言葉で語ることができるよう,日々の実験指導やレポートの面接指導で訓練を受けます。また,実験の結果をレポートにまとめ、口頭試問を受けることは,一般的なコミュニケーション力やプレゼンテーション能力を高めることにもつながります。
達成目標と学修・教育到達目標との対応

達成目標 学修・教育到達目標との対応
1. 化学実験の危険性や環境負荷を認識し,実験に際しては必要な配慮をすることができる。
(授業計画の 1 に対応)
2. 溶解度積や共通イオン効果の理論を,実験結果と関連づけて理解している。
(授業計画の 2〜5 に対応)
3. アボガドロ定数の測定,吸光分析,分子量の測定,酸解離指数の決定,などの実験において,化学反応の定量的な取扱いができる。(授業計画の 6〜11 に対応)
4. PC を使って,化学構造式の描画や測定データの作表,グラフの作成ができる。
(授業計画の 12, 13 に対応)
5. 実験結果を正しく,かつ効率よく伝えるレポートを作成することができ,また,口頭試問において,適切なコミュニケーションを行うことができる。
授業で使用する言語
日本語
授業計画

授業計画 授業時間外課題(予習および復習を含む) 必要学習時間
1. ガイダンスと実験の安全および環境への配慮
  ・実験の意義,注意事項,レポートの書き方など,実験の基本について説明する。
  ・実験に伴う危険や環境への負荷について講義し,安全に実験を行うために必要な行動規範や心がけについて,グループで話し合い,自分たちグループのルールを決める。
事前にテキストの当該項目を読んでおく。 50分
2. 陽イオンの定性分析1
  ・簡単な実験によって,沈殿生成と溶解の原理を学ぶ。
事前にテキストの当該項目を読み,フローチャートを作成する。 200分
3. 陽イオンの定性分析2
  ・標準試料を用いた分離と同定の練習
事前にテキストの当該項目を読み,フローチャートを作成する。 200分
4. レポート点検(面接指導)
  ・前週と前々週のレポートについての面接指導
事前にテキストの当該項目を読んでおく事. 200分
5. 陽イオンの定性分析3
  ・未知試料の分析(実技試験)

次回(第6回)以降の実験は,クラスを4つのグループに分け,8つのテーマを順に回って実施します。したがって,グループによって,実施するテーマの順序が異なります。
実験の手順を復習しながらフローチャートを改訂し,実技試験に備える。 200分
6. ガラス細工
  ・ガラス管を使って,簡単な実験器具(キャピラリーやピペット)を作る。
事前にテキストの当該項目を読み,実験計画を立てる。 200分
7. アボガドロ定数の測定
  ・ステアリン酸の単分子膜をつくり,その面積からアボガドロ数を算出する。
事前にテキストの当該項目を読み,実験計画を立てる。 200分
8. 吸光分析
  ・過マンガン酸イオンの吸収曲線を測定する。
  ・ランベルト・ベールの法則を使って,未知試料中の過マンガン酸イオン濃度を求める。
事前にテキストの当該項目を読み,実験計画を立てる。 200分
9. 酸解離指数の決定
  ・pHを測定しながら中和滴定を行い,弱酸の酸解離指数を決定する。
事前にテキストの当該項目を読み,実験計画を立てる。 200分
10. 分子量の測定(凝固点降下法)
  ・凝固点降下法によって分子量や塩の電離度を求める。
事前にテキストの当該項目を読み,実験計画を立てる。 200分
11. 有機合成
  ・フェノールのニトロ化反応を行う。
  ・生成物を TLC(薄層クロマトグラフィー)で分析する。
  ・TLC のスポットから p-ニトロフェノールを抽出し,その紫外可視吸収スペクトルを測定し,酸や塩基の添加による吸収スペクトルの変化を予測する。
事前にテキストの当該項目を読み,フローチャートを作成する。 200分
12. PC 演習(ChemDraw)
  ・ChemDraw を使った構造式の描き方を学び,演習課題に取り組む。
事前にテキストの当該項目を読んでおく。 200分
13. PC 演習(Excel)
  ・Excel を使ったデータの作表やグラフの作成の方法を学び,演習課題に取り組む。
事前にテキストの当該項目を読んでおく。 200分
14. 最終筆記試験と解説 これまでの実験を振り返り,実験ノートにまとめておく。 200分
合計 - - 2650分
達成目標との対応・割合

レポート 報告書 実技試験 演習課題 最終筆記試験 合計
1. 0% 0% 8% 0% 2% 10%
2. 15% 0% 8% 0% 3% 26%
3. 30% 8% 0% 0% 5% 43%
4. 0% 0% 0% 16% 0% 16%
5. 5% 0% 0% 0% 0% 5%
合計 50% 8% 16% 16% 10% -
評価方法と基準
テーマごとに提出するレポート,報告書,実技試験,演習課題,最終筆記試験により評価する。総得点の合計が100点満点で60点以上の者を合格とする。
教科書・参考書
当科目編集のテキスト「化学実験」を使用する。
生協で販売しているので,購入のこと。
履修登録前の準備
特になし
オフィスアワー、質問・相談の方法
  • 化学研究室(3号館1階:3100-1,3100-2)にて,実験終了後から18:00まで質問を受け付けます.また,サポート室にて,前期は月曜15:00-18:30,火曜16:50-18:30,木・金曜13:10から18:30まで,後期は月・水曜16:50から18:30まで,火・木・金曜15:00から18:30まで,質問や相談を受け付けます.
地域志向
地域志向ではない科目
社会的・職業的自立力の育成
  • 知識活用力を育成する科目
  • 対自己基礎力を育成する科目
  • 対課題基礎力を育成する科目
アクティブ・ラーニング科目
能動的な学修への参加による授業が大部分
実務経験のある教員による授業科目
実務経験 具体的内容
該当しない 該当しない
SDGs(持続可能な開発目標)関連項目
  • 3.すべての人に健康と福祉を
  • 12.つくる責任 使う責任
最終更新 : Sat Jun 20 04:16:47 JST 2020