科目情報
B0020400
数値熱流体解析 / Numerical Thermofluid Analysis
教授 小野 直樹 この先生のアンケート一覧を参照
授業の概要
[授業の概要]日常生活では自然現象として人体の周りにも、家屋・建物の周りにも空気の流れが存在し、いっぽう人工的にも空気や水の流れを空調や給水で活用している。機械工学で対象とする航空機、自動車などの交通機関では、車体まわりの空気の流動様式が車両の走行性能に影響する。また、空気や水の流れで効率的な冷却や加熱を行う場合も少なくない。流体の運動や、それに伴う現象の詳細に関しては、実験・計測が容易でなく、理論的解析も容易でないため、コンピュータを用いたシミュレーションが多用されており、その手段となる解析法の研究やその応用研究を行う学術分野が数値流体力学(CFD:Computer Fluid Dynamics)である。本科目は、CFDの基本となる微分方程式の離散化と離散化式の解法について、演習を行いながら学ぶことを目的としている。
[到達目標]数値シミュレーションの近似度と誤差の程度、数値シミュレーションに使用する微分方程式の離散化について理解し、簡単な例題や実用的なソフトウエアを用いた演習で熱流体問題の数値シミュレーションの実体験をする。
授業の目的
熱流体工学における数値解法の基礎の習得と、実際のソフトウエアを用いての基本的なシミュレーションスキルを身に着けることを目的とする.
達成目標と学修・教育到達目標との対応

達成目標 学修・教育到達目標との対応
1. 微分方程式の数値解法に関する基本的な解き方を問題に適用できる
D
,
E
2. 熱伝導方程式を数値解法によって基本的な問題が解ける、また流れを伴う温度場の数値解析法に関する基本的な問題が解ける
D
,
E
3. 実用的な熱流体解析ソフトを用いてモデル化・計算・図化の一連の作業が実施でき、また実際の基本的な問題へソフトを適用でき解析ができる
D
,
E
授業で使用する言語
日本語
授業計画

授業計画 授業時間外課題(予習および復習を含む) 必要学習時間
1. 講義:
  (1)CFDの概要と応用例、微分方程式の離散化
微分方程式の基本的解法を復習しておく. 190分
2. 講義:
  (1)微分と差分、差分化の方法、差分の誤差、数値積分
  (2)常微分方程式の解法
  (3)最小2乗法
配布資料の該当部分に目を通しておく. 190分
3. 講義:
  (1)高次方程式の解法について(はさみうち法)
  (2)台形公式と、シンプソンの方法による数値積分の手法
配布したサンプルプログラムに目を通しておく. 190分
4. 講義:
  (1)保存式と差分の基礎
  (2)連続の式と差分化
流れ学や基礎伝熱学の保存則について復習しておく. 190分
5. 講義:
  (1)エネルギー式とその差分化  
  (2)オイラー法とルンゲクッター法
  (3)3項方程式(TDMA)法
配布した資料およびサンプルプログラムに目を通しておく. 190分
6. 演習:
  (1)オイラー法とルンゲクッター法の演習
  (2)数値積分法の演習
配布した資料およびサンプルプログラムに目を通しておく. 190分
7. 講義:
  (1)1次元定常熱伝導の解法について
  (2)1次元非定常熱伝導の解法について
基礎伝熱学の熱伝導方程式の部分を復習しておく. 190分
8. 演習:
  (1)1次元定常熱伝導とその演習
  (2)1次元非定常熱伝導とその演習
配布資料の該当部分に目を通しておく. 190分
9. 講義:
  (1)2次元定常熱伝導の解法について
配布資料の該当部分に目を通しておく. 190分
10. 講義:
  (1)熱流動問題の数値解法について
  (2)汎用熱流体解析ソフトについて
CFD(計算流体力学)ソフトについてインターネット等で基礎知識を得ておく. 190分
11. 演習:
  (1)熱流体解析ソフトの入門演習
配布資料の該当部分に目を通しておく. 190分
12. 演習:
  (1)ソフトによる1次元熱伝導問題の演習
  (2)ソフトによる2次元熱伝導問題の演習
  (3)ソフトによる流動問題の演習
  (4)ソフトによる演習課題の取り組み
実際にソフトで解いてみようとする課題を事前に考えておく(自由課題のため). 190分
13. 講義:
  (1)流動解析における圧力場の数値解析法について
  (2)講義の総括
配布資料の該当部分に目を通しておく. 190分
14. 学期末試験:
試験の講評(今後の復習に向けて手短に)
小テストや演習課題を十分に復習して理解しておく. 190分
合計 - - 2660分
達成目標との対応・割合

小テスト 演習課題 期末試験 合計
1. 10% 5% 20% 35%
2. 10% 5% 20% 35%
3. 0% 20% 10% 30%
合計 20% 30% 50% -
評価方法と基準
小テスト(20%)、演習課題(30%)、学期末テスト(50%)を総合して評価する。総合点100点満点で評価し、60点以上を合格点とする。
熱流体現象に関する基本的な問題について、基礎的な熱伝導解析およびシミュレーションソフトを使用しての流動解析がある程度実施でき、課題の解析と解決に役立てることができるレベルを合格とする。
教科書・参考書
必要なプリントを講義中に配布する
履修登録前の準備
流体力学、伝熱学
オフィスアワー、質問・相談の方法
  • 月曜日の16:50~18:30.訪問を事前に連絡することが望ましい.
地域志向
地域志向ではない科目
社会的・職業的自立力の育成
  • 知識活用力を育成する科目
  • 対自己基礎力を育成する科目
アクティブ・ラーニング科目
能動的な学修への参加を取り入れた授業が1コマ分以上
実務経験のある教員による授業科目
実務経験 具体的内容
該当する 半導体材料の製造プロセスに関する熱流体解析を企業の開発部署にて行っていた.数値シミュレーション技術は常時活用していた.以上
SDGs(持続可能な開発目標)関連項目
  • 4.質の高い教育をみんなに
  • 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
最終更新 : Sat Mar 21 12:11:17 JST 2020