Course title
S02520002
Architectural Environment Psychology

KOGA Toshie

GOTA Osami
Course description
人々の生活の質を豊かなものにする建築環境のデザインを目指す時、デザインは単に「かたち」を作ることだけではありません。デザインされた結果としての環境をやがて利用する人とその環境とのやり取りを良く考えることにも関心を持つことが必要です。その結果見えてくるものの一つ、例えば、ある環境が人に何をもたらし、人はもたらされた結果に対してどうレスポンスするのかを予測する力は、あなたがデザインする環境の持つ意味を豊かにする可能性をもたらすはずです。このようなスタンスでデザインしていく姿勢を環境行動デザインと呼びます。この講義では、人々と環境の様々な関係についての主として心理学分野の重要な視点を基本から学び、デザインに至らせる(=環境行動デザイン)ためのヒントを共に考えます。いくつかのタイプの調査方法、分析方法についても分かりやすいワークシート方式で学びます。
Purpose of class
本講義では、背景、あるいは裏付けを持った環境デザインの力を身につけることを目的とする。そのために、①環境心理学の学問知を身につけること、②人々が利用する環境の質を読み解く力、これからデザインを介して関わろうとする場所で求められていることは何かを調べ、探求する方法を知ること、③調査、探求から得られた成果を客観的事実として表現できる力を身につけることを目指す。
Goals and objectives

Goals and objectives Course Outcomes
1. 環境と人々との関係を読み解き、問題を捉え、解決するために有用な環境心理学の知識を身につけること。
4.
2. 調査手法及びその分析方法についての学修を行い、手法として理解できること。具体的な調査課題をたて、実際に調査、分析を体験すること。
4.
3. 調査課題で実施した結果について分析し、講義で身につけた専門知識のもとで考察した結果を学術論文の形で表現することができるようになること。
4.
Language
Japanese
Class schedule

Class schedule HW assignments (Including preparation and review of the class.) Amount of Time Required
1. 人間・環境系としての環境理解:環境行動学への招待
(1)Person - in -Environmentな考察単位についての説明と理解の試み
(2)covid-19と環境行動
これまでに学修した建築計画など、デザインに関わる講義内容を振り返り、デザインについて考える。コロナウイルス感染のパンデミック後の日常の変化を書き出してみよう。 30分
2. 環境のかたちを捉える視点
(1)感覚的寸法
  個体距離、パーソナルスペースなどの基礎的概念を理解する。
(2)生き物による「かたち」の理解
  アフォーダンスの理論の理解:ギブソンの研究の紹介とその後この概念に触発された人々によるデザインをする立場からのアフォーダンスという概念に対する理解について紹介する。
講義で出てきた用語、人名を書き出し、内容を整理する。必要を感じた場合、専門書を開いてノートを充実させる。 40分
カフェや駅などでの人々の様子を観察してみよう。テーブルの間隔や周辺の様子から人と人の距離や向きなどに注目してみよう。 30分
3. 行動と環境の関係を記述する方法
(3)行動セッティング
  行動セッティングの概念を理解し、デザインのために必要な情報を得るツールとして理解する。
講義で出てきた用語、人名を書き出し、内容を整理する。必要を感じた場合、専門書を開いてノートを充実させる。 40分
生活の中で出会う行動セッティングを2つ、図で表現してみよう。 30分
4. 場所に対する感情と行動
 場所と行動のとり方の個人による差の存在を知る。
(1)スクリーナーとノンスクリーナー 
(2)ホームとアウエイ 
(3)プレイスアタッチメント
講義で出てきた用語、人名を書き出し、内容を整理する。必要を感じた場合、専門書を開いてノートを充実させる。 40分
ひいきのスポーツチームのホームとアウエイの試合状況を勝率などで確認してみよう。 28分
5. 環境の力
 場所が個人に及ぼす影響について考える。
(1)場所の印象
(2)回復環境
講義で出てきた用語、人名を書き出し、内容を整理する。必要を感じた場合、専門書を開いてノートを充実させる。 40分
今日の講義の中から気になる言葉を一つ取り出し、キーワードにして調査してみよう。 28分
6. 環境のイメージ
 ある場所に慣れ親しんでいくことは、その場所(地域)の、その人オリジナルな地図が頭の中にできあがっていくことの意味について考える。
(1)認知マップ
(2)都市のイメージ
講義で出てきた用語、人名を書き出し、内容を整理する。必要を感じた場合、専門書を開いてノートを充実させる。 40分
友達3人に、「豊洲キャンパス」のマップを描いてもらい比較してみよう。 30分
7. 環境のイメージと行動
 頭の中の場所の地図は色々な種類があり、作用を及ぼすことを環境のデザインの実際に合わせて考える。
(1)経路探索
(2)スメルスケープ
講義で出てきた用語、人名を書き出し、内容を整理する。必要を感じた場合、専門書を開いてノートを充実させる。 40分
あなたは初めて豊洲キャンパスに来た時、何を手掛かりにして、どのようなところで迷ったか、思い出して記述してみよう。 30分
8. 環境行動デザインによる支援
 環境行動学の内在する意味を講義の中間地点で考える機会を作る。
(1)ユニバーサルデザインの概念
(2)コンピテンスの概念
講義で出てきた用語、人名を書き出し、内容を整理する。必要を感じた場合、専門書を開いてノートを充実させる。 40分
街の中で、「配慮したつもり」なのにうまく配慮できていないデザインを探してみよう。
9. プライバシーと環境行動
 住まいをはじめとしたさまざまな環境のデザインにおけるプライバシーの意味を、環境を利用する人の行動を通して理解する。
(1)プライバシーの定義
(2)専有化
講義で出てきた用語、人名を書き出し、内容を整理する。必要を感じた場合、専門書を開いてノートを充実させる。 40分
あなたの自宅をプライバシーの種類や程度で「塗分け」てみよう。 30分
10. プライバシーと環境行動デザイン その2
(4)プライバシーの理解
(5)「専有化」のプロセスと環境行動
(6)平面計画への反映
講義で出てきた用語、人名を書き出し、内容を整理する。必要を感じた場合、専門書を開いてノートを充実させる。 40分
集合住宅などでの「専有化」と「プライバシー」について考えてみよう。
11. 安心なまち、安全な環境 その1
 プライバシーやテリトリー等の概念が公共の環境デザインと結びついたときに有効な概念の一つを学修する。
(1)まもりやすい住空間
講義で出てきた用語、人名を書き出し、内容を整理する。必要を感じた場合、専門書を開いてノートを充実させる。 40分
集合住宅の配置計画を集め、「まもりやすい住空間」の視点から考察してみよう。
12. 安心なまち、安全な環境 その2
(2)防犯と環境行動デザイン
講義で出てきた用語、人名を書き出し、内容を整理する。必要を感じた場合、専門書を開いてノートを充実させる。 40分
街の中で「不安を感じる場所」はどのようなところだろうか。講義の内容や独自の学修と重ねて考えてみよう。
13. 災害と環境
 多くの災害の発生が予測される今日において、災害時の建築計画のための基礎的な知識を持つことは重要である。環境行動の立場から災害後の人々の日常環境における生活の質を確保する環境行動支援について考える。
(1)災害と危機的移行
(2)被災後の居場所・生活場所と環境行動学
講義で出てきた用語、人名を書き出し、内容を整理する。必要を感じた場合、専門書を開いてノートを充実させる。 40分
日本建築学会の論文から「災害復興住宅」など、大災害に伴う居住環境の変化や計画に関する論文を探して読み、内容を100文字でまとめてみよう。 60分
14. 環境行動と時間
 特に住環境のデザインに焦点をあてて「生活の質」を下げることのない環境デザインについて考える。時間がもたらす作用についての基本的な概念をデザイン現場に援用することを考えていく。
(1)環境移行という概念
(2)人生における環境移行と危機的移行

まとめ
講義で出てきた用語、人名を書き出し、内容を整理する。必要を感じた場合、専門書を開いてノートを充実させる。 40分
この講義全般を振り返り、不明点や関心を持ったところをピックアップする。不明点については何らかの方法で解決すること。 60分
Total. - - 876分
Relationship between 'Goals and Objectives' and 'Course Outcomes'

期末試験 指定レポート Total.
1. 50% 50%
2. 50% 50%
Total. 50% 50% -
Evaluation method and criteria
評価は3つの達成目標に対する到達度で行う。
講義内容の理解度を確認するものであるため、講義ノートや資料をしっかり把握することが肝要である。
テスト及びレポートを予定している。
Textbooks and reference materials
教科書は特に指定しない。
講義中に、関連文献を順に紹介する。
Prerequisites
建築物を物理的な対象としてみるだけではなく、人が生きて活動する場所として捉え、観察してみてください。
たくさんの建築空間を体験することは重要です。見て体感するもよし、書籍で感動するもよし、仮想空間を逍遥するのも大いに良しです!
Office hours and How to contact professors for questions
  • メールでの質問や相談を受け付けます。
  • 必要にお応じて講義中のチャット対応も可能にします。
  • 講義時間中に質問を受ける時間を設けるようにします。
Regionally-oriented
Non-regionally-oriented course
Development of social and professional independence
  • Course that cultivates an ability for utilizing knowledge
  • Course that cultivates a basic problem-solving skills
Active-learning course
More than one class is interactive
Course by professor with work experience
Work experience Work experience and relevance to the course content if applicable
N/A 特になし
Education related SDGs:the Sustainable Development Goals
  • 3.GOOD HEALTH AND WELL-BEING
  • 5.GENDER EQUALITY
  • 8.DECENT WORK AND ECONOMIC GROWTH
  • 11.SUSTAINABLE CITIES AND COMMUNITIES
  • 12.RESPONSIBLE CONSUMPTION & PRODUCTION
  • 13.CLIMATE ACTION
Last modified : Thu Oct 27 04:04:04 JST 2022