Course title
400960601
History of modern and contemporary education

KIDA Ryotaro

TANAKA Yukako
Course description
本講義では、近現代を中心に教育の歴史的変遷について学ぶ。本講義の特徴は、「学校」「家族」の外から教育の歴史を見ることである。現在の日本社会においては、小・中学校で義務教育を受けることは当たり前であり、家族に育てられることは当然と思われがちである。しかし、行政文書や各種統計、新聞雑誌、日記などの史料に目を向けてみると、学校に行かない、行けない、行きたくない子どもが戦前戦後、そして現在に至るまで多く存在していることが分かる。また、血縁関係にある親以外が育てる里預けや縁組に基づく養育は、高度経済成長期に至るまでごく一般的に見られる光景であった。実子のみを養育する家族像は自明なものではなかったのである。本講義では、今では「当たり前」とされがちな教育思想や方法、教育施策や課題が、いかに成立し、あるいは揺れ動いているのかを学ぶ。そして、教育課題を紐解きながら、そもそも学校とは何か、家族とは何なのだろうといった、根本的な問いについて考える機会としたい。

本講義の内容は、2部に分かれる。まず、前半の講義では、就学をテーマとする。不就学の子どもたちに対していかなる働きかけが行われ、学校システムが成立してきたのかについて学ぶ。後半の講義では、子どもの養育をテーマとし、近代家族の成り立ちと今後について考察する。

本講義では、学生同士の意見の共有と深化を重視する。グループ活動への積極的な参加を期待する。また、毎回のプリント課題、レポート課題をまとめてポートフォリオを作成し、自身の学習過程を確認する。

注意点
・本講義は対面授業を基本とする。
・担当教員により授業計画や評価方法などが異なる場合があるので、ガイダンスの際に必ず確認すること。
Purpose of class
本講義の目的は、2つ挙げられる。まず、近現代において政治、経済、社会がどのように変化し、それが教育に関する実践、理論、思想、政策にどのような影響を与えてきたのかを理解するということである。次に、現在の教育課題の成り立ちを理解し、課題解決の方途を考察する力を身に付けることである。単に歴史的事象を暗記するのではなく、現代社会の教育問題との関連性を把握し、解決に導く力を養うことを目的とする。
Goals and objectives
  1. 日本の学校教育の歴史的変遷を、政治、経済、社会の変化と関連させて理解し、自分の言葉で説明することができる。
  2. 日本の家族と子どもの養育の歴史的変遷を理解し、自分の言葉で説明することができる。
  3. 現代日本の教育課題の成り立ちを理解することにより、課題解決の方策を考察する力を身に付ける。
Language
Japanese
Class schedule

Class schedule HW assignments (Including preparation and review of the class.) Amount of Time Required
1. ガイダンス:本授業のねらい プリント課題を作成する(復習) 100minutes
参考書の該当する部分を読む(復習) 90minutes
2. 学校の近現代史1: 『泥の河』にみる子ども問題の情況(オンデマンド授業) プリント課題を作成する(復習) 100minutes
参考書の該当する部分を読む(復習) 90minutes
3. 学校の近現代史2:不就学児童とは何か—『泥の河』再考
レポート課題 A 提示
プリント課題を作成する(復習) 100minutes
参考書の該当する部分を読む(復習) 90minutes
4. 学校の近現代史3:戦後から高度経済成長期の子ども問題 プリント課題を作成する(復習) 100minutes
参考書の該当する部分を読む(復習) 90minutes
5. 学校の近現代史4:低成長期以降の子ども問題 プリント課題を作成する(復習) 100minutes
参考書の該当する部分を読む(復習) 90minutes
6. 学校の近現代史5:「学ぶ」とは何か—生涯教育、夜間学校の実践 プリント課題を作成する(復習) 100minutes
参考書の該当する部分を読む(復習) 90minutes
7. 学校の近現代史6:「子どもの貧困」の発見とその支援
レポート課題A提出
プリント課題を作成する(復習) 100minutes
参考書の該当する部分を読む(復習) 90minutes
8. 家族の近現代史1:近世江戸の子ども観と子育て プリント課題を作成する(復習) 100minutes
参考書の該当する部分を読む(復習) 90minutes
9. 家族の近現代史2: 良妻賢母思想の登場と人口政策 プリント課題を作成する(復習) 100minutes
参考書の該当する部分を読む(復習) 90minutes
10. 家族の近現代史3: 家族の戦後体制の成立―三歳児神話の幻影
レポート課題 B 配布
プリント課題を作成する(復習) 100minutes
参考書の該当する部分を読む(復習) 90minutes
11. 家族の近現代史4:家族の戦後体制の変容―「家族」再考 プリント課題を作成する(復習) 100minutes
参考書の該当する部分を読む(復習) 90minutes
12. 家族の近現代史5:「はじきだされた子どもたち」の問題—社会的養護の基礎知識 プリント課題を作成する(復習) 100minutes
参考書の該当する部分を読む(復習) 90minutes
13. 家族の近現代史6:子ども観の転換—社会的養護から社会的養育へレポート課題 B 提出 プリント課題を作成する(復習) 100minutes
参考書の該当する部分を読む(復習) 90minutes
14. ふりかえり:ポートフォリオ作成と提出 ポートフォリオを作成する(復習) 100minutes
Total. - - 2570minutes
Relationship between 'Goals and Objectives' and 'Course Outcomes'

プリント課題 レポート課題 ポートフォリオ Total.
1. 15% 13% 3% 31%
2. 15% 13% 3% 31%
3. 20% 14% 4% 38%
Total. 50% 40% 10% -
Evaluation method and criteria
1.プリント課題(毎回)50% :講義終了後、Scomb上に提出する。プリントの書き込み内容から、授業の内容理解、グループワーク、個人ワークへの参加姿勢を評価する。

2.レポート課題(2回)40% :前半の内容理解を確認するレポート課題Aと、後半の内容理解を確認するレポート課題Bの2つを課す。レポート課題AとBのどちらかを提出しなかった場合、評価は両方0点となる。必ずレポート課題AとBの両方を提出すること。評価の基準については、返却時に説明する。

3.ポートフォリオ 10% :プリント課題とレポート課題、最終回の講義で作成した振り返りシート、各自参考にしたプリントなどをファイルに綴じ、14回目の授業で提出する。振り返りの内容を評価する。

上記の合計点において60点以上を合格とする(60点:本講義において必要最低限ラインの知識が修得できているレベル)。
Textbooks and reference materials
参考書:復習に使用するため、各自持っておくことが望ましい。
岩下誠他著(2020)『問いからはじめる教育史』有斐閣
※担当教員により異なる場合があるので、ガイダンスの際に必ず確認してから購入すること。
Prerequisites
担当教員が講義の際にプリントを配布するため、特に準備は必要ない。
Office hours and How to contact professors for questions
  • 授業の前後を基本とする。
  • 事前にメール等で日時を相談すること。
Regionally-oriented
Non-regionally-oriented course
Development of social and professional independence
  • Course that cultivates an ability for utilizing knowledge
  • Course that cultivates a basic self-management skills
  • Course that cultivates a basic problem-solving skills
Active-learning course
Most classes are interactive
Course by professor with work experience
Work experience Work experience and relevance to the course content if applicable
N/A 該当しない
Education related SDGs:the Sustainable Development Goals
  • 1.NO POVERTY
  • 3.GOOD HEALTH AND WELL-BEING
  • 4.QUALITY EDUCATION
  • 5.GENDER EQUALITY
  • 10.REDUCED INEQUALITIES
  • 11.SUSTAINABLE CITIES AND COMMUNITIES
  • 16.PEACE, JUSTICE AND STRONG INSTITUTIONS
  • 17.PARTNERSHIPS FOR THE GOALS
Last modified : Fri Mar 18 23:02:12 JST 2022