4M127000
1 Fundamental Course on Turbulence Engineering
乱流では、大小様々なスケールの渦が無数に流れの中で生じ、複雑に相互作用しています。この様々なスケールの渦構造間の相互作用が流れによる混合作用を促進するため、物体が流れから受ける摩擦抵抗・熱伝達の著しい増加につながり、流体関連機械のエネルギー効率に影響を与えます。この様な乱流を扱う解析方法の基礎として、本講義ではまず平均操作を施したNavier-Stokes方程式の導出やレイノルズ応力について説明し、さらにレイノルズ応力輸送方程式について説明します。その後、平板に沿う乱流(壁乱流)という基礎的な乱流場でどの様な渦構造が生じ乱流が維持されているかを解説し、実際の壁乱流の数値シミュレーションデータを自分で解析してもらうことで理解を深めます。講義の後半では、乱流のマルチスケール性やスペクトル解析について解説したあと、乱流の直接数値シミュレーションやラージエディ・シミュレーション、レイノルズ平均モデルによるシミュレーションといった乱流の予測手法に関して解説します。
乱流の持つ混合促進効果は機械工学において様々な流体関連機械に応用されており、そういった流体関連技術の開発・研究には、学部で学習した流体力学の基礎知識に加え、乱流に対する統計的な解析方法の基礎的な理解や、乱流の数値シミュレーション手法に関する知識が極めて重要です。本授業の目的は、この様な乱流工学の基礎を理解することが目的とします。
- 平均化したNavier-Stokes方程式(RANS方程式)の導出やレイノルズ応力の物理的な意味を説明できる。レイノルズ応力輸送方程式の導出や、その式に現れるレイノルズ応力の生成項・散逸項・拡散項等の物理的な意味を数学的な根拠を含めて説明できる。さらに、この様な基礎的な解析方法に基づいて、乱流の実験・数値シミュレーションにより得られたデータに関する考察ができる。
- 壁乱流について、壁面付近の平均速度分布や速度変動強度の分布がどの様になるか、壁指標や壁法則も含めて説明できる。また、平均速度や速度変動強度の分布がなぜその様になるか、壁面付近に生じる渦構造の存在と関連付けて説明できる。
- 乱流のマルチスケール性とそのレイノルズ数依存性について説明できる。エネルギースペクトルの意味や乱流エネルギーとの対応関係等を理解し、乱流の解析に応用できる。
- 乱流の数値シミュレーション手法について、代表的なシミュレーション法の違いを理解し、問題に応じて適切な方法を選択できる。また、得られるシミュレーション結果について妥当性を議論できる。
Relationship between 'Goals and Objectives' and 'Course Outcomes'
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中間テスト |
期末テスト |
レポート |
Total. |
1. |
15% |
10% |
5% |
30% |
2. |
15% |
10% |
5% |
30% |
3. |
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15% |
5% |
20% |
4. |
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15% |
5% |
20% |
Total. |
30% |
50% |
20% |
- |
Japanese(English accepted)
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Class schedule |
HW assignments (Including preparation and review of the class.) |
Amount of Time Required |
1. |
講義概要についての説明、講義の内容の理解に必要な基礎的な数学についての復習 |
応用数学の復習 |
190minutes |
2. |
流れの基礎方程式(連続の式・Navier-Stokes方程式)の導出 |
学部の流体力学関連の復習 |
190minutes |
3. |
レイノルズ平均・レイノルズ分解の導入、平均化した流体の運動方程式(Reynolds-Averaged Navier-Stokes(RANS)方程式)の導出、レイノルズ応力の物理的意味について |
授業で出されたレポート |
190minutes |
4. |
壁乱流について(平均速度・レイノルズ応力分布)、壁指標の導入・壁法則の説明 |
授業で出されたレポート |
190minutes |
5. |
レイノルズ応力輸送方程式の導出・各項の物理的意味について |
授業で出されたレポート |
190minutes |
6. |
壁乱流(平面クエット乱流)の数値シミュレーションデータを使った壁乱流のデータ解析 |
授業で出されたレポート |
190minutes |
7. |
中間テスト・試験問題の解説 |
試験問題の復習 |
190minutes |
8. |
乱流のマルチスケール性について |
授業で出されたレポート |
190minutes |
9. |
フーリエ解析 |
授業で出されたレポート |
190minutes |
10. |
乱流のエネルギースペクトル |
授業で出されたレポート |
190minutes |
11. |
乱流の数値シミュレーション手法について(その1):直接数値シミュレーション |
授業で出されたレポート |
190minutes |
12. |
乱流の数値シミュレーション手法について(その2):ラージエディ・シミュレーション(LES) |
授業で出されたレポート |
190minutes |
13. |
乱流の数値シミュレーション手法について(その3):レイノルズ平均モデル(RANSモデル) |
授業で出されたレポート |
190minutes |
14. |
期末試験・試験問題の解説 |
試験問題の復習 |
190minutes |
Total. |
- |
- |
2660minutes |
Evaluation method and criteria
中間試験・期末試験・レポート
Feedback on exams, assignments, etc.
ways of feedback |
specific contents about "Other" |
Feedback in outside of the class (ScombZ, mail, etc.) |
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Textbooks and reference materials
教材はScombzから配布します
参考書:
H.Tennekes、J.L.Lumley、 藤原 仁志 (翻訳)、「乱流入門」、東海大学出版
Peter S. Bernard、James M. Wallace、「Turbulent Flow: Analysis, Measurement, and Prediction」、Wiley
日野幹雄、「流体力学」、朝倉書店
線形代数、偏微分、微分方程式、流体力学関連科目の復習をしておくこと。学部で必修科目だけでなく、流体力学等、流体力学系の選択科目も単位取得していることが望ましい。授業でMatlabを用いたデータ解析をするので、各自パソコンにインストールしておくこと。
Office hours and How to contact professors for questions
- 質問がある場合はメールで問い合わせてください:kawata@shibaura-it.ac.jp
対面で相談したい場合は、メールでアポイントを取ってください
Non-regionally-oriented course
Development of social and professional independence
- Course that cultivates a basic problem-solving skills
More than one class is interactive
Course by professor with work experience
Work experience |
Work experience and relevance to the course content if applicable |
N/A |
該当しない |
Education related SDGs:the Sustainable Development Goals
- 7.AFFORDABLE AND CLEAN ENERGY
- 9.INDUSTRY, INNOVATION AND INFRASTRUCTURE
Last modified : Sat Jun 29 04:45:48 JST 2024