Course title
CD0050003
Modern Biology

NAKAMURA Hidemitsu

YUMOTO Atsushi
Course description
 このコロナ禍の2年間、命について真剣に考える機会が多かったと思います。生命は身近な存在です。私たち人間自身も生命です。近年、生命科学は急速に進展しました。そして生命の謎について多くのことが解明され、その知識が健康を保ち社会を豊かにするイノベーションに結びついているのですが、反面、中学までに習った生物学の内容と最先端の生命科学の内容がかけ離れ、一般社会から生命科学が遠い存在になっている気もします。言葉としては一般に完全に浸透したPCRやワクチンですが、どんな原理で行われているのか詳しく説明できる人は少ないでしょう。そもそも生命って何?進化とは?植物はなぜ緑色なのか?iPS細胞とは?ゲノム編集というけどゲノムってそもそも何?本講義では、そのようなテーマをなるべくわかりやすく解説し、生命の不思議や生命科学の可能性を身近に感じてもらいたいと思っています。
 そのためには生物の構造やDNAなどの遺伝情報とその発現機構といった生命活動の基礎的な知識も学んでほしいと思っています。前半では生命科学の基礎を詳しく解説していきます。基礎知識をある程度理解してもらった上で、後半では生命科学と社会の関わりについても考察していきます。生命科学と社会は密接な関係にあるのですが、社会的な常識が現代の最先端の知識と乖離しているため、新技術に対する無用な恐れや反発が引き起こされ、せっかくの最新技術や農業従事者などの努力が報われることなく埋もれている現状もあります。免疫とは?PCRって何?食の安全安心とは?ゲノム編集ベイビーとは?ゲノム編集食品とは?福島原発事故の生物や環境への影響は?といった身近な話題や社会問題に対して生命科学的な考察ができるように、なるべく多くの例を挙げて講義を進めていきます。
Purpose of class
今世紀に入り、生命科学はゲノム解析技術、クローン技術、万能細胞作製技術等、目覚ましい技術革新により大きく進歩している。このような技術の進歩は、私たちの社会活動にも大きな影響を与えている。また、私たちを取りまく環境も生命活動と密接にかかわっている。そのため、現代のさまざまな社会的、倫理的、経済的、環境的問題を生命科学の視点から考察することの重要性は年々高まっている。本講義では現代生物学の基本的な知識を習得し、身近な問題からグローバルな問題まで様々な現代社会の問題を考察する力を涵養することを目的としている。
Goals and objectives
  1. 生物の構造と機能を理解する
  2. 遺伝子の構造と遺伝のしくみを理解する
  3. 生活・社会・環境と生命科学の関わりについて理解する
Relationship between 'Goals and Objectives' and 'Course Outcomes'

中間テスト 期末テスト 小テスト Total.
1. 20% 10% 10% 40%
2. 20% 0% 10% 30%
3. 0% 25% 5% 30%
Total. 40% 35% 25% -
Evaluation method and criteria
毎回の小テスト24点、中間試験38点 期末試験38点。合計点で評価する。
・小テストはその日の講義の内容の振り返り問題を出し、ほぼ理解できていると判断できれば満点とする。
・中間試験、期末試験ともに講義の内容から出題する。講義の内容の大まかな要点をほぼ理解していれば60%、重要事項の詳細を正確に理解していれば90%、2~3問の論述問題で講義の内容をもとに自分なりの意見を根拠に基づき記述できればさらに10%の点数を得られるように出題する。
Language
Japanese
Class schedule

Class schedule HW assignments (Including preparation and review of the class.) Amount of Time Required
1. 生命科学と現代社会のかかわり(イントロダクション:生物とは、ヒトの起源と進化、細胞を構成する分子) 授業計画のキーワードについて予習 60minutes
2. 病原体にどのように備えるか(微生物と感染、免疫応答) 前回の授業の復習・授業計画のキーワードについて予習 60minutes
3. 生命はどのように設計されているか(細胞、細胞内小器官、オートファジー、遺伝情報の伝達) 前回の授業の復習・授業計画のキーワードについて予習 60minutes
4. ゲノム情報はどのように発現するのか1(複製、転写と翻訳、ゲノム) 前回の授業の復習・授業計画のキーワードについて予習 60minutes
5. ゲノム情報はどのように発現するのか2(ゲノム、遺伝と環境、エピゲノム) 前回の授業の復習・授業計画のキーワードについて予習 60minutes
6. 植物の不思議(葉っぱが緑色である理由、100メートルを超える樹木が地面から水をてっぺんまで運べる理由) 前回の授業の復習・授業計画のキーワードについて予習 60minutes
7. 中間テスト:試験内容の解説とここまでのまとめ 第1回〜第6回までの授業内容についての復習 180minutes
8. 複雑な体はどのように作られるのか(発生・分化・再生・万能細胞) 前回の授業の復習・授業計画のキーワードについて予習 60minutes
9. 食の安心安全とリスクコミュニケーション(食と健康、消化吸収、農薬は悪者?) 前回の授業の復習・授業計画のキーワードについて予習 60minutes
10. ゲノム編集で何ができる?何が変わる?(品種改良と新しい育種、ゲノム編集技術) 前回の授業の復習・授業計画のキーワードについて予習 60minutes
11. アフリカ大陸の3大問題のひとつ、根寄生雑草とは(根寄生植物、ストリゴラクトン) 前回の授業の復習・授業計画のキーワードについて予習 60minutes
12. 環境と生物はどのようにかかわるか(福島原発事故の影響) 前回の授業の復習・授業計画のキーワードについて予習 60minutes
13. 生命や生物の不思議をどう理解するのか(生命倫理、生物学の歴史、現代生物学の潮流、生物学と情報科学の融合) 前回の授業の復習・授業計画のキーワードについて予習 60minutes
14. 期末試験
期末テスト終了後試験の内容の解説をする。
第8回から第13回までの授業内容についての復習 180minutes
Total. - - 1080minutes
Feedback on exams, assignments, etc.
ways of feedback specific contents about "Other"
授業内と授業外でフィードバックを行います。
Textbooks and reference materials
教科書(授業の多くの部分はこの本の内容に沿って進めます)
現代生命科学第3版
東京大学生命科学教科書編集委員会編 羊土社 (2020年)

参考図書
ZEROからの生命科学 改訂4版 
木下 勉、小林 秀明、浅賀 宏昭 共著 南山堂 (2015年)
Prerequisites
特になし
Office hours and How to contact professors for questions
  • 水曜日講義終了後
Regionally-oriented
Non-regionally-oriented course
Development of social and professional independence
  • Course that cultivates an ability for utilizing knowledge
Active-learning course
N/A
Course by professor with work experience
Work experience Work experience and relevance to the course content if applicable
N/A 該当しない
Education related SDGs:the Sustainable Development Goals
  • 1.NO POVERTY
  • 2.ZERO HUNGER
  • 3.GOOD HEALTH AND WELL-BEING
  • 9.INDUSTRY, INNOVATION AND INFRASTRUCTURE
  • 13.CLIMATE ACTION
Last modified : Fri Mar 07 11:49:22 JST 2025