Course title
H00160002
Civil Engineering and Sociology

YATAGAWA Rumi
Course description
本講義は、土木工学を「市民(Civil)のための工学」と位置づけ、社会に生きる人々の生活や意識と土木工学との接点を社会学的な観点から考察する。授業内においては、適宜、フィールドワークを取り入れ、実際に行政関係者や地域に暮らす市民など、多様な人々と関わることによって、多世代共創社会における高度なコミュニケーション能力と協調性、マネジメント能力を培う。
Purpose of class
授業の目的としては、第一に、「市民のための工学」として、土木計画の際の市民との関係性や市民同士のつながり(社会関係資本)の在り方について、社会学的な理論を用いて考察する。 第二に、近年の少子高齢化による深刻な人口減少が進んでいる地域に焦点をあて、地域を支える次世代の市民の育成、官民による「共創」による地域デザインの場の作り方など、地方創生と行政、市民の関係性について考察する。第三に社会を支える土木人材の育成について、土木分野への進路選択や土木分野でのキャリア形成について考察する。
こうした学びを通じて、「市民のための工学」に必要な、人や社会に対する視点を養い、より幅広い視野を持った土木工学人材の育成を目指す。
Goals and objectives
  1. 地球的かつ社会的視野から多面的に物事を考える能力と素養を身につける
  2. 工学および専門基礎知識を用いて土木分野における社会の要求を解決するための能力を身につける
  3. 経済・社会・環境・時間・技術面などの制約条件のもとで、計画的に仕事を進め、まとめる能力を身につける
Relationship between 'Goals and Objectives' and 'Course Outcomes'

ミニレポート プレゼンテーション 試験 Total.
1. 10% 10% 10% 30%
2. 5% 20% 10% 35%
3. 5% 10% 20% 35%
Total. 20% 40% 40% -
Evaluation method and criteria
評価は、ミニレポート20%、プレゼンテーション40%、試験50%の割合で、100点満点で評価し、60点以上を合格とする。
※60点とは、本講義で扱う内容の基礎・基本的な知識、技能を身につけているレベル
Language
Japanese
Class schedule

Class schedule HW assignments (Including preparation and review of the class.) Amount of Time Required
1. ガイダンス:「市民のため」とはどういうことか

本講義では、全14回にわたる講義の概要を説明し、土木工学が「市民のための工学(Civil Engineering)」であることを具体例を挙げながら説明する。
資料を読む 60minutes
2. 市民(Civil)の社会学① 市民社会の考え方

市民のための工学という観点から「市民社会」を定義し、「市民のため」ということをパブリックサービスという観点から議論する。
資料を読む 90minutes
授業の振り返りをする(リアクションペーパーの作成) 100minutes
3. 市民(Civil)の社会学② 「社会的ジレンマ」をどう乗り越えるか

安心・安全で市民全員にとって利益のある社会を作るためには、個人個人の行動選択とその集合体としての社会全体の利益のバランスが重要となる。本講義では「社会的ジレンマ」の理論を用いて、個人と社会の関係について議論する。
資料を読む 90minutes
授業の振り返りをする(リアクションペーパーの作成) 100minutes
4. 市民(Civil)の社会学③ 社会的選択としての計画
 
都市計画などの様々な計画には、構造物を造るか否か、造るとしたらどの場所にするかなど、常に社会的選択が伴う。本講義では、合理的選択理論をはじめとする、社会的選択に関する社会学理論を用いて、計画をめぐる社会的選択について議論する。
資料を読む 90minutes
授業の振り返りをする(リアクションペーパーの作成) 100minutes
5. 市民(Civil)の社会学④ 市民社会と社会関係資本

本講義では、地域防災を例にして、地域の人々の社会関係資本(つながり)が、災害時において、どのように個人および地域全体の防災行動に影響するのかといった観点から、災害時の共助・自助の有り様を議論する。
資料を読む 90minutes
授業の振り返りをする(リアクションペーパーの作成) 100minutes
6. 地方創生の社会学① 2050年の未来社会と地方創生

本講義では、日本における少子高齢化の流れの中で、地方社会における2050年の推計データを基にして、地方創生として今から何をするべきなのかについて議論する。
資料を読む 90minutes
授業の振り返りをする(リアクションペーパーの作成) 100minutes
7. 地方創生の社会学② 地方創生と人口の考え方

地方創生においては、人口をどう維持するかが大きな論点となっている。本講義では、地方創生における人口の考え方として、定住人口、交流人口、関係人口の3つを提示し、これからの地方創生に必要な人口の考え方についての議論を行う。
資料を読む 90minutes
授業の振り返りをする(リアクションペーパーの作成) 100minutes
8. 地方創生の社会学③ 地域人材育成の手法と評価

地方創生に必要な条件として、地域社会を支える人材の育成が挙げられる。本講義では、地域人材育成の方法について、具体的な事例を挙げて説明し、その効果検証の結果を基にして評価を行う。
資料を読む 90minutes
授業の振り返りをする(リアクションペーパーの作成) 100minutes
9. 地方創生の社会学④ 地方創生の方法論

地方創生にあたっては、その地域の将来ビジョンを明確にし、その目標に向かって行政と市民とが一体となって共創する必要がある。本講義では、地域における未来ビジョンを共創するための「場」づくりとビジョンの共有の方法論について議論する。
資料を読む 90minutes
授業の振り返りをする(リアクションペーパーの作成) 100minutes
10. 土木工学の社会学① 土木分野への進路選択

近年の土木人材の減少を切り口にして、高校生の土木分野への進路選択の傾向について、データを基に説明し、これからの日本社会における土木人材の育成の道筋について議論する。
資料を読む 90minutes
授業の振り返りをする(リアクションペーパーの作成) 100minutes
11. 土木工学の社会学② 土木とキャリア

土木分野でのキャリア形成、ジェンダー問題などを取り上げて議論する。
資料を読む 90minutes
授業の振り返りをする(リアクションペーパーの作成) 100minutes
12. 「土木と社会学」ディスカッション

これまでの講義内容をもとにして、グループで1つのテーマを選定し、日本社会が抱える問題について議論し、土木工学的な視点から解決策をまとめる作業を行う。
テーマについての調査 150minutes
グループワーク 120minutes
13. 「土木と社会学」プレゼンテーション、ミニレポート作成

第12回講義での議論をもとにして、グループごとに発表を行う。
発表準備、資料作成 180minutes
14. 期末試験、解答の解説

期末試験を実施する。終了後、試験の解答について解説を行う。
これまでの振り返り、試験準備 240minutes
Total. - - 2650minutes
Feedback on exams, assignments, etc.
ways of feedback specific contents about "Other"
Feedback in the class
Textbooks and reference materials
特に指定しません。毎時間、資料を配布します。
Prerequisites
シラバスを熟読し、授業内容を十分に理解すること。
Office hours and How to contact professors for questions
  • 面談、研究室への訪問については、適宜、メールにて受け付けます。
Regionally-oriented
Non-regionally-oriented course
Development of social and professional independence
  • Course that cultivates an ability for utilizing knowledge
  • Course that cultivates a basic interpersonal skills
  • Course that cultivates a basic problem-solving skills
Active-learning course
More than one class is interactive
Course by professor with work experience
Work experience Work experience and relevance to the course content if applicable
N/A 該当しない
Education related SDGs:the Sustainable Development Goals
  • 4.QUALITY EDUCATION
  • 5.GENDER EQUALITY
  • 11.SUSTAINABLE CITIES AND COMMUNITIES
  • 12.RESPONSIBLE CONSUMPTION & PRODUCTION
  • 13.CLIMATE ACTION
  • 16.PEACE, JUSTICE AND STRONG INSTITUTIONS
  • 17.PARTNERSHIPS FOR THE GOALS
Last modified : Sat Mar 08 04:27:04 JST 2025