Course title
4M1270001
Fundamental Course on Turbulence Engineering

KAWATA Takuya
Course content
乱流では、大小様々なスケールの渦が無数に流れの中で生じ、複雑に相互作用しています。この様々なスケールの渦構造間の相互作用が流れによる混合作用を促進するため、物体が流れから受ける摩擦抵抗・熱伝達の著しい増加につながり、流体関連機械のエネルギー効率に影響を与えます。この様な乱流を扱う解析方法の基礎として、本講義ではまず平均操作を施したNavier-Stokes方程式の導出やレイノルズ応力について説明し、さらにレイノルズ応力輸送方程式について説明します。その後、平板に沿う乱流(壁乱流)という基礎的な乱流場でどの様な渦構造が生じ乱流が維持されているかを解説し、実際の壁乱流の数値シミュレーションデータを自分で解析してもらうことで理解を深めます。講義の後半では、乱流のマルチスケール性やスペクトル解析について解説したあと、乱流の直接数値シミュレーションやラージエディ・シミュレーション、レイノルズ平均モデルによるシミュレーションといった乱流の予測手法に関して解説し、実際にシミュレーションを実施して結果を最終プレゼンテーションにて発表することで理解を深めます。
Purpose of class
乱流の持つ混合促進効果は機械工学において様々な流体関連機械に応用されており、そういった流体関連技術の開発・研究には、学部で学習した流体力学の基礎知識に加え、乱流に対する統計的な解析方法の基礎的な理解や、乱流の数値シミュレーション手法に関する知識が極めて重要です。本授業の目的は、この様な乱流工学の基礎を理解することが目的とします。
Goals and objectives
  1. 平均化したNavier-Stokes方程式(RANS方程式)の導出やレイノルズ応力の物理的な意味を説明できる。レイノルズ応力輸送方程式の導出や、その式に現れるレイノルズ応力の生成項・散逸項・拡散項等の物理的な意味を数学的な根拠を含めて説明できる。さらに、この様な基礎的な解析方法に基づいて、乱流の実験・数値シミュレーションにより得られたデータに関する考察ができる。
  2. 壁乱流について、壁面付近の平均速度分布や速度変動強度の分布がどの様になるか、壁指標や壁法則も含めて説明できる。また、平均速度や速度変動強度の分布がなぜその様になるか、壁面付近に生じる渦構造の存在と関連付けて説明できる。
  3. 乱流のマルチスケール性とそのレイノルズ数依存性について説明できる。エネルギースペクトルの意味や乱流エネルギーとの対応関係等を理解し、乱流の解析に応用できる。
  4. 乱流の数値シミュレーション手法について、代表的なシミュレーション法の違いを理解し、問題に応じて適切な方法を選択できる。また、得られるシミュレーション結果について妥当性を議論できる。
Relationship between 'Goals and Objectives' and 'Course Outcomes'

レポート 最終プレゼンテーション 期末レポート Total.
1. 10% 5% 5% 20%
2. 10% 10% 10% 30%
3. 5% 10% 10% 25%
4. 5% 10% 10% 25%
Total. 30% 35% 35% -
Language
Japanese(English accepted)
Class schedule

Class schedule HW assignments (Including preparation and review of the class.) Amount of Time Required
1. 講義概要についての説明、講義の内容の理解に必要な基礎的な数学についての復習 応用数学の復習 190minutes
2. 流れの基礎方程式(連続の式・Navier-Stokes方程式)の導出 学部の流体力学関連の復習 190minutes
3. 内部流に関する基礎方程式の層流解 授業で出されたレポート 190minutes
4. 乱流について 授業で出されたレポート 190minutes
5. 乱流の解析手法:平均化した基礎方程式・乱流統計量の導入 授業で出されたレポート 190minutes
6. 壁乱流について① 授業で出されたレポート 190minutes
7. 壁乱流について② 授業で出されたレポート 190minutes
8. 壁乱流について③ 授業で出されたレポート 190minutes
9. 乱流の数値シミュレーション;直接数値シミュレーション、ラージエディーシミュレーションについて 授業で出されたレポート 190minutes
10. 乱流の数値シミュレーション;RANSモデルによるシミュレーションについて 授業で出されたレポート 190minutes
11. 乱流の数値シミュレーションに関する実習① 授業で出されたレポート 190minutes
12. 乱流の数値シミュレーションに関する実習② 授業で出されたレポート 190minutes
13. 乱流の数値シミュレーションに関する実習③ 授業で出されたレポート 190minutes
14. 最終発表 プレゼンテーションの準備 190minutes
Total. - - 2660minutes
Evaluation method and criteria
レポート・最終プレゼンテーション・期末レポート
Feedback on exams, assignments, etc.
ways of feedback specific contents about "Other"
Feedback in outside of the class (ScombZ, mail, etc.)
Textbooks and reference materials
教材はScombzから配布します

参考書:
H.Tennekes、J.L.Lumley、 藤原 仁志 (翻訳)、「乱流入門」、東海大学出版
Peter S. Bernard、James M. Wallace、「Turbulent Flow: Analysis, Measurement, and Prediction」、Wiley
日野幹雄、「流体力学」、朝倉書店
Prerequisites
線形代数、偏微分、微分方程式、流体力学関連科目の復習をしておくこと。学部で必修科目だけでなく、流体力学等、流体力学系の選択科目も単位取得していることが望ましい。
Office hours and How to contact professors for questions
  • 質問がある場合はメールで問い合わせてください:kawata@shibaura-it.ac.jp
    対面で相談したい場合は、メールでアポイントを取ってください
Regionally-oriented
Non-regionally-oriented course
Development of social and professional independence
  • Course that cultivates a basic problem-solving skills
Active-learning course
More than one class is interactive
Course by professor with work experience
Work experience Work experience and relevance to the course content if applicable
N/A 該当しない
Education related SDGs:the Sustainable Development Goals
  • 7.AFFORDABLE AND CLEAN ENERGY
  • 9.INDUSTRY, INNOVATION AND INFRASTRUCTURE
Last modified : Thu Mar 06 10:30:48 JST 2025