Course title
2M995000,3M8205001
Biomolecular Chemistry

HATANO Akihiko Click to show questionnaire result at 2019
Course content
 本講義では,分子や超分子の動的構造を明らかにすることができる核磁気共鳴装置(NMR)の原理から測定方法,応用測定法とチャート解析までを行い,研究室で実際に「使える」実学の修得を目指す.また,バイオインフォマティックスの入門技術として,PCを用いたタンパク質,DNAのモデリングを行う。

 近年,「生物を利用して産業に生かして行こう」という動きが盛んである.生命は、生体分子が集合してできた複雑な組織体であり,分子の構造に働きがインプットされていると言っても過言んではない.生体分子の構造,すなわち,「物質の構造」,「生命と物質の相互作用」を理解できれば,病気の解明,体と薬物の相互作用,新素材の構造など,医学,薬学,化学,農学などの分野で問題となっているを明らかにする近道に成るであろう.
 本講義では,動的に分子構造,分子集合体の構造を解析する手法である核磁気共鳴法に焦点を当て,物質の動的構造を読み取るための知識を獲得する.
 ヒトの身体の60%程度は水であり,20%はタンパク質である。機能をつかさどるのがタンパク質であり,病気の原因のほとんどはタンパク質が原因となっている。しかし,タンパク質の50%は分かっていない状態であり,その働きを知るためには,構造を明らかにする必要がある。近年,構造生物学の著しい進歩により,未知なるタンパク質でも,1次構造が分かれば三次構造を推定することができ,その働きも予測することがでできるようになった。本授業では,AlphaFold時代のバイオインフォマティックスについて説明,演習を通して簡単な構造予測が出来るようにする。
Purpose of class
この授業の最終的な目的は,「NMRチャートから化合物を同定できる」ことと,「NMR装置を利用できる」様になることである。
Goals and objectives
  1. 核磁気共鳴装置の原理,もととなっている物理法則を理解する.
  2. 有機化合物のNMR チャート(プロトン,カーボン)の解析と分子構造の決定ができる.また,質量分析装置と合わせて利用する意味を理解している.
  3. 二次元 NMR である,COSY,NOESY,HMBC などのチャートを読み取ることができる.
  4. バイオインフォマティックスとしてのAlphaFoldを利用して,アミノ酸の1次配列から三次元構造を推測できる。
  5. バイオインフォマティックスとしてのDNA折り紙法を利用して,DNA二次元構造体をデザインできる。
Relationship between 'Goals and Objectives' and 'Course Outcomes'

演習 中間試験 定期試験 Total.
1. 8% 6% 6% 20%
2. 8% 6% 6% 20%
3. 8% 6% 6% 20%
4. 8% 6% 6% 20%
5. 8% 6% 6% 20%
Total. 40% 30% 30% -
Language
Japanese
Class schedule

Class schedule HW assignments (Including preparation and review of the class.) Amount of Time Required
1. ガイダンス,同位体,安定同位体と放射性同位体,イメージング シラバスを確認する 200minutes
2. 核磁気共鳴とは? 核磁気共鳴法について 200minutes
3. 化学シフトと積分
スピンスピン結合
原子中の電子の振る舞いについて 200minutes
電子スピンについて
4. 複雑なスペクトル
スペクトルの温度依存性とジェミナルカップリング
化学結合を介したエネルギーの移動について 200minutes
カップリングについて
5. 二次元NMR
H-H COSY
H-C COSY(HMQC)
HMBC(遠隔カップリング)
NOE(核オーバーハウザー効果)
二次元NMRについて 200minutes
6. DNA の構造評価のための核磁気共鳴装置
演習問題と解説
復習しておくこと 200minutes
7. 中間試験と模範解答の解説 復習しておくこと 200minutes
8. バイオインフォマティックス1
アミノ酸とタンパク質の高次構造
Chimera-X,PyMol の使い方
復習しておくこと 200minutes
9. バイオインフォマティックス2
タンパク質の高次構造の予想と病気や薬の開発の関係について
PCで設計したタンパク質によるディールスアルダー反応の触媒例(論文を例にとって)
復習しておくこと 200minutes
10. バイオインフォマティックス3
AlphaFold 3 を利用したタンパク質の高次構造モデリング
復習しておくこと 200minutes
11. バイオインフォマティックス4
タンパク質とモデル化合物のドッキングスタディー1
復習しておくこと 200minutes
12. バイオインフォマティックス5
タンパク質とモデル化合物のドッキングスタディー2
復習しておくこと 200minutes
13. バイオインフォマティックス6
CaDNAno を利用したDNA折り紙の配列デザインとCanDoによる有限要素法解析
復習しておくこと 200minutes
14. 定期試験と解説 後半部分の試験を行う. 200minutes
Total. - - 2800minutes
Evaluation method and criteria
定期試験30%,中間試験30%,レポートと演習40%の配分で評価し,総合点60%以上を合格とする。
この60%とは、「本講義で説明された基礎項目をすべて理解していること」「それがレポート,試験に盛り込まれていること」が基準となります.
Feedback on exams, assignments, etc.
ways of feedback specific contents about "Other"
授業内と授業外でフィードバックを行います。
Textbooks and reference materials
参考:NMR,田代充,共立出版
参考:これなら分かる NMR,安藤喬志ら,化学同人
参考:これならわかる二次元 NMR,福士江里ら
参考:NMR 分光法,阿久津秀雄ら,日本分光学会編
参考:プログラム学習 NMR 入門,竹内敬人,講談社
Prerequisites
実際に NMR を日常利用している研究室からの受講が望ましい.
Office hours and How to contact professors for questions
  • 月曜日2限
Regionally-oriented
Non-regionally-oriented course
Development of social and professional independence
  • Course that cultivates a basic problem-solving skills
Active-learning course
About half of the classes are interactive
Course by professor with work experience
Work experience Work experience and relevance to the course content if applicable
Applicable
Education related SDGs:the Sustainable Development Goals
  • 9.INDUSTRY, INNOVATION AND INFRASTRUCTURE
  • 12.RESPONSIBLE CONSUMPTION & PRODUCTION
  • 13.CLIMATE ACTION
Last modified : Wed Mar 05 04:11:19 JST 2025